■出かけ先から帰って来ました。ただの旅行です。行先は伊豆半島です。一泊目は南熱海・伊豆多賀、二泊目は修善寺温泉、湯回廊菊屋です。
一泊目の伊豆多賀では、美味しいお魚を頂きました。グンマも魚の消費量は多いのですが、アジがこんなに美味しいとは、素晴らしい宿、素晴らしい温泉だと興奮しながら、お腹いっぱい食べました。宿が海の側でして、朝日が昇って来た頃、浴衣のまま砂浜を散歩しました。ハマナスの木が茂っていました。温泉は塩辛く、心身が温まるお湯でした。
田舎住いで薄給の自分に、修善寺などムリ、ましてや高級旅館・菊屋など天地ひっくり返ってもないと数年間思っていましたが、それでは何のために生きているのか分からないと思い、地元の旅行代理店に予約を依頼しました。
幸いトップシーズンではない事。日曜泊である事。東京発の踊り子号利用で、全体の費用が少し割安になる事等により、負担を押さえました。後はいかにして漱石三昧のトリップにするかだけでした。温泉もお料理も最高でしたが、頭の中の大半が漱石先生の事で埋まっていました。
・漱石が病臥した「梅の間」に宿泊できた。普通に営業している客室なので、空調もテレビも普通にある。お部屋の間取り等は正しく漱石先生の往時なのだが、古いお部屋は近隣施設に移築されたとのこと。
当然のように、近隣のテーマパーク内にある、漱石先生の記念館に足を向けた。一時雨に見舞われるも、全く気にならなかった。明治期のふすま等を飽きるまで眺めて来た。文豪の居室と言うと、豪華で広大なものを想像してしまうけれど、意外と落ち着ける場所だったと思う。
色々嫌な事があっても、「これを乗り越えたら、いつか修善寺に行こう」と学生の頃から思っていたと思う。ネガティブな言い方になるけれど、こんな自分にもし生きる意味があるのなら、漱石先生の割合は非常に高いと思う。
親とか故郷とか昔のクラスメイトとか、大事にしないとバツが悪い物は多かれど、それらが私を生かしてくれているとは余り思いたくない。あえて言うなら、いつか報復してやるくらいの気持ちの熱ならあるので、不穏でたまらない。同じカロリーなら、漱石先生に対して発熱したい。 |
|