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...... 2020年01月16日 の日記 ......
■ 虐げられた人びと ドスト   [ NO. 2020011601-1 ]

■東京の道はわかりにくいです。東京は関東平野と言いながら、起伏の激しい土地なので、そもそも京都のような碁盤の目の道は作れなかったとか聞きます。

そして家康の性格からして、オープンな街づくりは考えなかったでしょう。街道も、あくまで各藩と江戸幕府がよければよくて、繁栄とかあんまり考えていなかった気がします。



JRの路線図も結構なわかりにくさです。あれは本当に地形次第なので、どうにもなりません。山と山の間、川沿い、海沿い、火山のないところ、と自然豊かすぎる日本と運命を共にしています。

新幹線時代になると、また違いますが。なら地下鉄は?と思いますが、銀座線の路線がなぜあそこなのかというと、「当時から繁栄していたから」だからだそうで、こちらは懐次第なのかもしれません。



■グンマの路面電車について、展示があったので見てきました。小さくて愛らしいチンチン電車が、今のマイカー地獄のグンマでは想像ができないくらい、豊かに走っていたのかと思いました。

ただ。志賀直哉がひかれたのは、こんな電車だったんだろうかと思います。ホームドアとかない時代ですし、人と鉄道が近すぎて、ちょっと怖いものを感じます。

路面電車というと阪堺電車ですが。乗って感じる贅沢さは、長寿の路面電車故と思うと納得します。グンマの路面電車は、だいたいJRの路線に変わりました。



■ドストエフスキーの、虐げられた人びとを読み終えました。ドストとしては、短めの本でした。内容も、初期のものになるせいか読みやすいです。

ただいつも思うのは。もう少し柔らかい題はなかったのかと思います。ロシア語のタイトルもグサッと単語でつけられていて、華やかさとかゼロです。タイトルでいえば、トルストイのほうが優し気に聞こえます。

虐げられた人びとも、内容は主に市井の女性たちの声という感じです。語り手の男性の影が弱いです。その分、軽薄な青年の姿、傲慢な公爵の姿、などクッキリ見えてきます。



冒頭で死んでいった爺さんと犬は何だったんだろうと思います。まさしく虐げられた人と言えそうですが、彼が不幸だった娘と孫に冷たくし、孫をいじめていた事も明記されています。同情されるべきは犬と女性たちであって、爺さんではありません。

白夜のころから、ドストエフスキーの小説でおおっと思わせるのは女性なんだろうと思います。白痴といい、罪と罰といい、魅力的なのはいつだって女性たちです。虐げられた〜も、女性たちの生の声が聞こえた気がします。男たちが受け身で影が薄く、なのに暴君で役立たずなのも、漱石に似ていると思います。

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