■ふと。どうしてシャーロットは結婚しようとしなかったのかなと。エミリはなんとなく分かりますし、アンは末妹だから、細雪の妙子の様に待たされる身だったのでしょうか。
この時代、イギリスの拡大政策のため、「女余り」だったのもあるんでしょうが。故に、オースティンの作品だと「とにかく結婚しよう」「結婚すれば嫁の持参金が手に入る」「女は玉の輿」というドラマが強いです。
ブロンテ家には「主婦」がおらず、伯母さんと女中さん、姉妹で家事をやっていたせいもあるんでしょうか。メイド集団とか雇えることないだろうから、基本、家事は姉妹と女中さんの仕事です。
ブロンテパパの給料で、皆を養うのだから。「家事をする人が必要」「姉妹の生活費が足らない」という矛盾が出ます。シャーロットの場合たびたびの求婚を大体拒んでいます。理由は絶対的なものではなさそうです。
既婚者に熱を入れている場合じゃないのは、シャーロットが一番分かっていたと思いますが。シャーリーの「男はバカ」「男嫌い」な描写と、結果的にシャーリーが「アタシをぶってくれる男欲しい」というオチ。
・・・・生まれながらの「オールドミス」というか。母、マライアが亡くなったのが兎に角痛かったんだろうなと。(でも当時の医療状況で、6人連続ほぼ年子って、体に悪すぎると思った。パパ何考えていたの。妊娠〜分娩〜妊娠のタイミングがおかしい)
■ギャスケルの書いた、シャーロットの伝記を読んでいます。以下雑感です。
・薄味
ギャスケルのテーマが「シャーロットは!!!品のいい!!!ビクトリア朝の家庭的な女性!!!だったの!!!嘘じゃないわよ!!!」
なので、結果的に漂白されている
他のいわゆる近年の「ブロンテ姉妹」の解説本は、結構リアル傾向なので面白いが、ギャスケルの本の一次的な意味での存在感を思うと一回読もうと思っていた。
で
こき下ろされるブロンテパパ
ブランウェルの素行の悪さが、いまいち分からない
当時のリアルな手紙をガンガン出してくるのはいいけど、これ、ギャスケルあての手紙じゃないんだよなあとなえた。あくまでシャーロット〜友人間の手紙であって、ギャスケルってなんだったんだろうなと思う
シャーロット晩年の、文筆に強い知人なんだと思うけど、変に薄味で、妙に語調が激しく、「こーんな話、皆さん知っていて当然ですがあ〜」というノリ
これはシャーロットの父とも夫とも、友人達とも距離が出来るよなと。アンとエミリについても薄味
そもそもブロンテ姉妹は、ビクトリア朝と言うより、大時代のバイロン達のいたロマン主義。ゴシック的
オースティンの頃でも、ゴシックは古かった
当時としても古風だったロマン主義・ゴシック趣味でバリバリ書いた女達を、「ビクトリア風の!!!家庭的!!!淑女ったら淑女!!」と説明するのは無理 |
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