何回目か忘れましたが、谷崎の「細雪」を読んでいます。漱石の小説と並んで、年に何回か読みたくなります。長さが丁度いいと言いますか、好きなだけあの世界に没頭出来るのがいいんです。
舞台が伝説の特急・つばめ、かもめ等が現役で走っていた時代なので、鉄道関連の場面も充実しています。阪急、東武なども出てきます。
雪子の結婚相手が、華族の人間で航空関係勤務。貞之助も軍需関連に関係していて、本家は東京渋谷・・・と言うと、雪子の祝言の後でこの一家を見舞う惨劇が想像出来てしまいます。斜陽の旧家である以上に、時勢が時勢なので、本当に「挽歌」と呼ぶにふさわしい小説です。
ちなみに。東京の丸ノ内、銀座、渋谷が「細雪」にも再三登場しますが(※メトロ銀座線・丸ノ内線沿線)、「新宿」は確か出てきません。昨今の東京を語る場合なら、ほぼ間違いなく触れられる「新宿」ですが、戦前はまだまだ開発中だったようです。
(当時は「新宿」区も存在しないし、牛込、四谷、神楽坂などの地名を、時折別の小説で見かけるくらい。・・・最近読んだ「イギリスの住まい」とかいうエッセイで、新宿の乱開発について手痛い指摘がされていた。
今の新宿の高層ビル群や、とにかく多い「駅」、タワーマンションなどについて、谷崎だったら何と言うのだろう。意外に都会志向の谷崎でもあるので、好きになってくれるだろうか。)
以下は、ミラトレの新宿西口一の話です。ミステリアスで、ロマンチックな雰囲気を理解できる男、一。
エスコートすべき淑女達には「秘密を持っている女性って魅力的だね」くらい言いそうですが、零二と吹には「僕に隠し事なんかしないでよ」とか、言ってそうです。自身のことも、2人にはうるさく話していそう。
吹が嫌な事とかあって、暗い顔をしていたら。吹が言いたがらないとしても、最終的には聞き出して一緒に悩んでいそう。
「暗い顔の原因を教えない吹」→ 「聞き出そうとしてうるさい一」→ 「見かねて吹に原因を尋ねる零ちゃん」→ 「零ちゃんには話してもいいかなと吹」→ 「吹が教えないので零ちゃんをゆする一」→ 「吹に教えてもいい?と聞く零ちゃん」→ 「俺から一に話すよと吹」→ 「ええっそんな事があったの?とやっぱりうるさい一」。
でも一番吹の気持ちが分かるのは一。・・・正しい新宿ブラザーズの姿はアニメ、漫画等でご確認下さい。
平成23年9月13日 竹淵 拝 madeingermany193☆yahoo.co.jp ☆→@ |
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