先日に引き続き、「幻夜」を読みました。約3日間で読みました。平日だったのに、手放せませんでした。「白夜行」の方を先に読むべきだったかもしれませんが、雅也に感情移入して最後苦しかったので、今晩は「幻夜」の日なのだと思います。
今後、この作家の作品で雅也の様な人に出会いたいです。「容疑者〜」の石神や、湯川のような超人同士の頭脳バトルも読みたいですが、普通の人の普通の暮らしも書ける作家だから、そう思います(でも普通の生活なんて小説になりにくいんだが)。東野圭吾の本を発表順に読んでいないので、全体的な印象をつかむのに時間がかかりそうです。
「容疑者〜」「ガリレオ」「流星」が、割とドロッとしつつも救いのある話だったので、甘い気持ちで「幻夜」を読みましたが、こんなに苦しむとは思いませんでした。雅也は論理的な男だったと思いますが、行動力と論理的な思考だけでは幸せになれなのかなと悲しかったです。
美冬は何をしたかったのか。「幻夜」だけでは分らない部分もあるでしょうが、ビジネスの成功、玉の輿、崇拝等でなければ何なのかと。(ただ欲望のままに動いたとも考えられるが、論理的な思考とというのは何らかの目的がなければ普通動かない。)
つまらない話ですが、自分も化けて、演技して、自分を捨てれば幸せになれるかなと思った事があります。特別な事はしていませんが、お洒落して化粧してデートしたくらいです。真っ白いベールとドレスとか、華奢で無垢なイメージのネックレスとか。硬くて冷たくて重いから、本当は身に着けるのが嫌いな貴金属とか。
演技ってある種の努力とも言えますので、多少は報われます。でも演技して得られる見返りは、あまり美味しくありません。自分が手を伸ばした故の見返りであっても。それなら、普段着とスニーカーとはた迷惑なキャリーバッグで、同人誌の在庫の山を抱えて、山手線を乗り鉄した方が、食う飯はうまいです。
以下はミラトレの話です。
公式見解で、新宿ブラザーズは「可愛い3兄弟」だそうです。吹を可愛いと言われると少し抵抗がありますが、総合的に見ると可愛さ1000%です。
零二は仮名称が西大久保だっただけに、少しだけ一より自分達を客観的に見る時がありそうです。「なんで、あといつから俺達は兄弟なんだっけ」と、練馬・練馬春日町、新御徒町・上野御徒町は多分兄弟でないし、他の駅も単身者がほとんどだから。
でも東新宿で起きがちな揉め事や、ちょっとした怪我や不調に気づいてくれるだろう吹は、頼もしいかもしれません。「吹は俺のおふくろじゃないんだから、やめてくれ。どの駅だってみんな自分の事くらい自分で出来るし、俺だって」というと、多分本気で悲しい顔をされるでしょう。
(何だかんだ言って、西新宿という土地柄で駅をしているのだから、吹は強い人だと思う。ただしその強さを知っている駅はあえて吹に近づかないし、彼に守られているごく数駅の身内だけが理解できる強さ。)
平成24年2月24日 竹淵 拝 madeingermany193☆yahoo.co.jp ☆→@ |
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