二次元ですがお金の話です。谷崎の小説は基本的に裕福な男女しか出てきません。春琴の贅沢ぶりや、細雪の三姉妹の流石芦屋の婦人と思わせる生活が例です。他贅沢をして暇そうな男女の描写が異様に続きます。谷崎自身も贅沢好きでしたが、彼本来の姿はもっと汲々としていたはずです。自分が他によく読む荷風や漱石だと、荷風は貧しい方の生活描写をよくしますし(荷風自身はお金持ちですが)、漱石も「金がなくて困る」と主人公達が口をそろえていいます。
谷崎は金持ちの生活を二次創作したいなと思った時、参考になるかもしれません。青の一族とか。(でも新総帥他は美少年に金と精神を注ぎ込むから、やっぱりかぐわしくない方向で青の一族は未知かも。)以下は雑感です。
■青の一族の貪欲さは周知の通りだが、彼等は一般的な「結婚」に意欲を見出さない(というか作品全体が)。大昔は側室しか置かない男達だったのだろうけど、いつの間にかファンタジーな方法で子孫を残すようになった。ギャグファンタジー漫画だからいいのだけど、大抵の相続法や家族法、民法等は「夫婦と子供」を基本にして作られているので、膨大な財産と権力を握る青の一族をリアルな意味で法的に守っていくのはかなり難しい。 ■日本の法律でも、母子関係は分娩によって問うまでもない確固とした関係とされるけど、父子関係は子の母との婚姻関係がないと実子とは基本的に考えられない。
■青の一族の場合、独身男性が男の子の父親になってるので、男の子の出生後に養子縁組をしている事になる。婚姻を伴わないで実子関係を結ぶなら認知届をする事になるけど、なにせファンタジーなので「お母さん」不在。全員いわゆる「婚外子」であって日本の場合非常に立場が弱い。(※先進国では「婚外子」という考え方の方が少数ですが、南国&PAPUWAの連載時の日本の民法を参考にしています。日本も早く民法が改正されないでしょうか。)
何が言いたかったと言うと、今後キンちゃんがガンマ団総帥の補佐官、兼青の一族の若手としてやっていくとしたらかなり面倒だなと言う事です。心身両面を支えてくれる女性がキンちゃんの側にいればいいのにと思いました。グンマ、シンタローについてもそう思いますが、グンマはややこしい事から逃げるでしょうし、シンタローは「妻」どころか税理士・会計士・弁護士等であっても頭から信用しなそうです。(あああ)
キンちゃんには高松がいますから、財産管理や人事面など面倒くさい法的な処理等だって乗り越えるでしょう。ただし「高松に手伝ってもらった」とばれると、シンタローがいい顔しないのでコソコソと高松に相談とするんでしょうか。高松とすると日陰にいても気にしないでしょうが、キンちゃんには歯がゆいと思います。頑張ったって生涯高松には一族の様な相続権が発生しませんし、キンちゃんから手数料など欲しがらないから、事務上は見事整理出来るのに、さらにやきもきするキンちゃん。
もしキンちゃんが贈与税覚悟で高松に何かしたり、自分に何かあった場合高松に幾ばくか残せるように手配しても、シンタローが破り捨てるでしょう。・・・・「貴方のお役に立てれば高松は幸せなんですよ」と高松がキンちゃんに日頃から言うだろうから、色々エンドレスです。 |
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