繰り返しになってしまいますが、子供の頃南国をテレビアニメで見ていて、サビがシンタローを連れて行った後は、シンタローがコタローを救う話だと思っていました。パプワ達のいいお兄ちゃんだったシンタロー、ガンマ団の刺客達をいつも倒していたシンタローでしたから子供心にそんな想像を膨らませつつ、テレビアニメの最終回を見ました。
南国&PAPUWAをちゃんと通して読んだのは去年の事です。「こんな話だったんだ」と思ったものです。悪役っぽいキンちゃんがそんな事もなく、悪そうだった高松は本当に悪かったです。彼に愛情を抱いてしまうと悪かろうが悪くなかろうが、変態だろうが単に機敏過ぎるおじさんであろうが、気にならなくなりますが。赤いジャケットを着ているシンタローに未だに慣れません。以下はシンタロー雑感です。
■髪の毛はしばっていた方がよかったと思う。紅・パーパ・ジャンと顔が同じなので読んでいて混乱する。赤いジャケットもスクリーントーンが高松と同じなので同じく混乱する。南国アニメだと明らかにシンタローは20代半ば、高松は「やせ形のおっさん」の輪郭と体形だったのでそんな事夢にもなかった。髪質はシンタローはこわめで、高松は若い頃ほど量はないけど逆に落ち着いていい感じが出て来た柔らかめの髪だと思っているので、そんな違いを脳内補完しながらシンタローの出ているページを見る事にしている。
■総帥の仕事って、たった数年で「出来た」と思えるものなのだろうか。シンタローがPAPUWA4巻で「俺はガンマ団総帥」と言っている場面に違和感がある。シンタローはアスの影だったはずじゃ。キンタローが「俺は〜」と言うとしたら、「俺は補佐官」「俺は科学者」等とは言わない気がする。せめてシンタローがマジックについて総帥としての仕事を学んだという場面があったならよかったけど、マジックの言う事は聞かないと思うので脳内補完しにくい。
■南国でのシンタローのモットーだった、「コタロー救出」「マジック・ガンマ団・青の一族への反抗」「アスとの対決」等が一切シンタローをスルーしていったのに、シンタローがいつの間にか総帥になっている。キンちゃんの変貌ぶりも大きいけど、キンちゃんは療養中の高松の枕辺で専門書を読んでいる姿が想像出来た。
■「コタロー救出」→コタは一人で部屋から出て来て、ルーザー叔父ちゃんに力の解放の仕方を教わったものだから疲れちゃって、マジック達に総がかりで抑え込まれた。ルーザー叔父ちゃんに悪い事教わらなかったら、コタは暴発して自滅していたかも。 ■「マジック等への反抗」→マジックと力の差があり過ぎる上に、マジックがシンタローを溺愛しているので勝負にならない。 ■「アスのと対決」→ルザ様の意志がアスを征服していたと思うので、シンタローの出番なし。お母さんと息子の絆を深めさせて、自分ごと悲しい運命を葬ろうとしたルザ様の一幕になった。
■南国でシンタローが言う「やらなきゃ」「なすべきこと」が未だに分からない。マジックの覇業で傷ついた人達への補償かと思うが、「親父のやった事と俺は無関係だ」とシンタローは言いそうだし、マジックが積み上げた財産や戦力を削る様な事をシンタローはしないと思う、理由は「もったいないから」。
結論として。シンタローは表面的な変化でガンマ団と一族の全てが変えられた様に思いたいのだろうけど、シンタローを補佐するキンちゃんはルーザー様の息子で、高松の愛弟子です。キンちゃんも自分の危うい立ち位置を高松から客観的にレクチャーされているので大きな声では言わないですが、マジックの世代の遺伝子はシンタローの代でも生きています。
シンタローがガンマ団の膿だと思っていそうな高松の、定着させたオぺレーティングシステムで、今も新総帥の乗る艦は動いているんじゃないかなと思います。高松は急に「レーダーの開発」なんて手伝い出したのではなく、ルザ様が生前構築したガンマ団独自のOSを何年もかけて発展させ、キンちゃんに教授した上で姿を消したのでしょう。(グンマはそういう責任のある仕事を避けると思う。)ガンマ団の覇業を支え、今後も維持されるだろうOSその他の「システム」はキンちゃんの「兄弟」なんだろうなと思います。お父さんとお母さんが同じなので。
キンちゃんが特戦に居続ける可能性はあったのだろうかと思いました。ハレはキンタローがマジックの子供だと思ったから自分の隊に招いただけでは。ルーザーの子供であり今後は高松が面倒を見たいとの事なので、ハレがキンタローを進んで高松に引き渡したのかも。(コタに対してもハレはコタ自身への情愛じゃなくてマジックへの追従に近い)
キンちゃん自身も何となく、島でお父さんに会った時、力では何も解決しないかもしれないという事を感じたのかもしれません。キンちゃんは生まれた時から大きな力を持っていましたが、キンちゃんを心から受け入れたのは非力な高松でした。お父さんも力を道具にする事はあっても、力そのものには頼っていなかったと思います。特戦は戦闘のプロだけあって無駄な暴力は振るわないと思いますが。
キンちゃんが科学から特戦の戦闘力に代わる何かを感じたという事も、そんなにないと思います。科学も戦闘ともガンマ団の仕事の一つです。ルザ様の血から言えば生来の戦闘のセンスは十分あったでしょう。科学者であるお母さんの事が分るようになりたい、お母さんの力になりたいという素直な気持ちが大きかったかなと思います。高松も戦闘員たるキンちゃんは嫌いじゃないと思うけど、より身近に感じられたらと思っていたのでは。 |
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