子供の時パラパラ読んで分からなかった南国5巻以降の流れが、大人になった今でもよく分りません。大勢の似た顔立ちの男性キャラが一斉に島で動き出すので、描いていない場面を脳内で埋めながら読まないと全体像が把握しにくいからです。チャンネル5に比べれはまだ南国の方が描写が多いですが。シンタローサイドだけでもアラシヤマ、ミヤギ、トットリ、コージ、生物&パプワ、ジャン、高松、グンマ。マジック側にもハレ、白シンタロー、コタ、マーカー、G、ロッド、リキッドといます。ガンマ団の内輪もめ。「若い世代が上の世代の過ちを正す展開」と思いきや、マジック、ハレ、高松、ルザ様、マーカー等からの若い世代への愛情にあふれたお話でした。
紅白戦の様にキャラの立ち位置をハッキリしてくれと思いますが、ダントツでサビの立ち位置が無駄に最強です。マジックもハレもシンタローもサビ大好きで、さらにジャンがいるとまともに兄弟間で会話もできないくらいです。シンタローの体をどうにかするために島に来たはずのマジックが、いつ赤の番人とシンタローが同一人物だと知って、殺す気になったのかの描写もありません(サビから聞いた?)。マジックとハレが合流したのは仕方ないとして、愛してくれる大勢の男達の間をフラフラとさまようサビ。
高松とすると。
このままグンマのお守りとしてガンマ団の特異なポジションにいるのも美味しいけど、いなくなってしまったルザ様の息子に出会えそうなので上がり調子のテンション。白シンタローに興味があり過ぎるせいなのか、シンタローの不幸に目もくれず浮かれたバカンス気分を見せるから、数年後に「新総帥」から白眼視される事に。
高松なので事態が進行しないと手を出しません。ジャンとシンタローが融和しない事を知ると、「ルーザー様の息子が次期総帥になるように嬰児すり替えをして、本来赤の秘石が狙っていたマジックの息子はグンマとして除外し、白シンタローをガンマ団の中枢にあらかじめ据えた」という過去を暴露します。
白シンタローがこのままマジックの息子として次期総帥になれば、高松の狙い通りだったのでしょう。本当のお父さんの事もお父さんが選んだ人の事も知らないまま、権力の真ん中に白シンタローがいるのも、高松には悪くなかったでしょう。まだ若かった高松が描いたシナリオはそんな感じだったろうと思います。
ですがマジックは白シンタローを愛そうとしません。高松も適当に接するつもりだったグンマを時間の経過で可愛いと思う様になった様です。ルザ様の死に絶望した若い高松の予測できなかった「人が人を好きになる」瞬間が、24年の間にいくつかあった様です。結果、高松は周囲をだまし続ける事が出来ればルーザー様の息子を幸せに出来るという目論見を捨てました。サビにはイタズラに過ぎなかった嬰児交換は、高松にとってもっと重い意味だと思います。
ジャンと融合したばかりのシンタローと喧嘩して、怪我して変なテンションになった白シンタローに、高松は会いに行ったんじゃないかなと思います。停泊中のハレの艦になら高松は顔パスで入れるでしょうし、白シンタローには「ガンマ団の医者です」と言えば、怪しまれずに会う事が出来ます。力は強いけどキレ気味の白シンタローに動揺する高松を新刊で描きたいです。
次期総帥に押し上げる事より、もっとこの子を幸せにしてあげる何かを考えようと高松は思ったでしょう。死んでしまったけど今でも大好きなお父さんの話をしてくれるお母さんと一緒に過ごす事程、「キンちゃん」の幸せな時間ってないと思いますがどうでしょう。
■シンタローに感じていた違和感の正体が少し分りました。父子関係というより恋愛関係、男女関係に近い考えで申し訳ありませんが、シンタローとマジックは「自分がその人を好きかどうかは分からないけど、さる男性から貢がれて贅沢に生活している女性と、好きな女性に有り余る資産を貢いで満足している男性」なんじゃないかと思うんです。シンタローが総帥を頑張る事で、注がれたマジックからの愛に応えているとも考えられますが、PAPUWAで実質総帥を務めているのはマジックなので、そうとも思えません。
シンタローが総帥になったのは、マジックの愛情表現の一環なのでしょう。
グンマと高松の場合は分りやすく、グンマが「高松大好き」と言えるうちは高松も快く全身全霊で愛しますが、色々あって自分達が相思相愛でないと思う様になると、グンマは高松と離れます
でも高松の力が必要な時は現在高松と相思相愛のキンちゃんを担ぎ出すグンマ様。キンちゃんとすると高松と対等の関係でありたいと思うから無理もするけど、愛情も能力も高松にかなわないとたまに思うかも。
流石南国&PAPUWAです。親子だ育ての親だと思うと見えないものが、「恋愛」と思うとスパッと分かった気になります。高松はいつまでも自分の気持ちを「報恩」と言い続けると思いますが。 |
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