テレビアニメのマクロスFを見ました。クライマックスのシェリルの男前さと、女ぶりが最高です。テレビアニメだと、シェリルは「アルトはランカが好きだから、アルトに愛されていない自分はランカを応援する」と思っています。このじれったさはサヨナラノツバサで解消されますが、やっぱり見ててじれったいです。(竹淵は軽くシェリル厨だと思う。キャシーも好き。)
PAPUWAの新生ガンマ団の顔とくればシンタローとキンちゃんです。2人とも親達から溺愛されています。そして、どうしても目が追うのは能動的なキャラです。シンタローもキンちゃんも頑張っていますが、彼等は能動的に他人を愛している描写よりも、受動的に愛されている場面の方が多いです。
「ご贔屓キャラが盲目的に好かれている・権威を帯びている」のが好きな原作者なので、シン・キンの優遇措置は分からないでもないですが、興味深くなるのはやっぱりマジック・高松世代です。カミヨミを読みながら、「このキャラ出番は多いのに違和感がある」と思う事が多かったのですが、なんとなく違和感の理由が分りました。(菊理は主要キャラなのにあの扱い。でも輝いている。原作者の好む「バランス」故の不遇だと思うと菊理を見ているのが辛い。)
シンタローとマジックの描写は南国でもPAPUWAでもそんなに違いが無い様です。マジックが大好きです。キンちゃんと高松については、南国後ならばヒヨコとメンドリ(軍鶏?)でしょう。キンちゃん黄色くて柔らかくて可愛いですし。周囲に突かれない様になるまでは、ある程度の守り手・逃げ場が必要です。(グンマと高松は「長すぎた春」だと思う。高松はグンマに対し彼のために思い切って手放す誠実さが足らなかった気がするし、グンマは高松に対し「いれば便利」という意識もあったと思う。)
ルーザー様と高松、キンちゃんについての雑感です。高松はマジックの捨て駒としてルーザー様が散っていった時、マジックを恨んだと思います。激しい支配欲と、今までのガンマ団のあり方、それにジャンへの劣情が加われば、マジックのルーザー様を汚れ役にして、自分は強くて綺麗なままでいようと思う衝動は止まりません。
そんな兄にルーザー様は反抗しません。何故なら、今まで団員の誰かがマジックに逆らえば、その団員の所属部隊ごと、ルーザー様が始末してきたからです。兄弟だから自分は例外だとルーザー様は思わなかったでしょう。反抗したと思しき団員、部隊を消しながら、「マジックに従わなければ死」という意識が心身に染みこんだと思います。マジックが総帥就任後最初に殺したのは父の弟なので、「一族は例外」とルーザー様は思わなかったはずです。
ある時「マジック及びサービスの思い人の抹殺」という恨まれそうな役をルーザー様は負います。マジックかルーザー様が「ジャンと付き合ってはならない」とサビを説得すればいいと思いますが、それではマジックも「ジャンと付き合ってはならない」と明示してしまうので、折角の血液検査の結果も、マジック、ハレ、それに高松くらいしか知りません。
もしルーザー様が、マジックはジャンについて赤・青の一族の争いとしてではなく、劣情で動いているという事に疑問を呈したら。多分マジックに殺されます。自分だけでなくて、部下だった高松と、生まれるだろうキンちゃんも生まれる前に消されたと思います。有能なコマだったからルーザー様は生かされていただけで、機密に触れ過ぎている分、コマで無くなったら関係者一同そうなります。
高松がどこまでルーザー様の立場を理解していたかは分りませんが、高松なのでルーザー様が自分に説明してくれた以上の事を理解するでしょう。ルーザー様の戦死は自分と生まれてくるキンちゃんのために彼が選んだ行動かもしれないと思ったでしょう。高松に募るのはマジックへの憎しみです。
しかしその感情はルーザー様がそうしたように、発散を「我慢」されるべき感情です。ガンマ団内でマジックへの憎しみは微かなものでも危険です。もし高松が生まれてきたキンちゃんに父がいない理由と、自分のマジックやガンマ団への恨み、悲しみをもらそうものなら、キンちゃんは「母」を辛い目に遭わせ、自分から「父」を奪ったマジックを、伯父で「母」の上司であってもよくは思わないです。高松は幼いキンちゃんに、自分の悲しみを見せないようにしないといけません。
ルーザー様ですら対抗する事が叶わないマジックに、高松と小さいキンちゃんがどうこう出来る訳がありません。高松が願うのはキンちゃんがどんな形であれ、生き延びる事だと思うので、すり替えて「マジックの息子」としてマジックに与えます。ルーザー様は高松とキンちゃんを守ろうとしたけど、高松もキンちゃんを守ろうとしたのだろうと思います。
高松が南国終盤までルーザー様の思い出を話さなかった事から、そう思いました。高松のルーザー様への思いは、絶対に年少者に伝えてはならないものなのでしょう。グンマはマジックを恨むことなく成人しました。自分の弟を幽閉して苦しめた父なのに。グンマがPAPUWAで疎んじ、嫌うのは高松じゃなくてマジックが正解です。でもマジックへの反抗心はガンマ団で死を意味するので、真相が暴かれた後でもグンマの憤懣が自分に向くように、高松はグンマを誘導したのかも。 |
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