「科学者」のイメージが不案内なので、イタリアの科学者、エットーレ・マヨナラの生涯についての本を読んでいます。自伝ではなくて、シチリア島にあるマヨナラの名前を冠した研究所の方が彼について調査した本だそうです。
昔から不思議だった、「科学者はなんでもできるのか」という点について、何となく分かってきました。文系だと手の届く文献にひたすらあたる事が研究の大半ですが、科学者って未知の世界に乗り出す人達の事なんだなと。自分がしたい実験をするには、自分で機材を用意しないとならないくらいの話なのかと思いました。
Gガンダムでレインがメカニック兼医者兼ガンダムファイトも出来るのは、ドモンがああいう性格で、その上女性キャラが少ないからの処置かと思いましたが、レインが科学の方の女性なら「そうかな」と思います(アニメの話だけど、今後、とても器用なキャラが出てきた時は驚かない事にします。戦えるインテリっていいです。)
マヨナラは数学、物理、科学の天才だったそうです。親兄弟も学友もいたそうですが、彼についての本を読むと孤独であったようです。自分などが抱えるチンケな孤独ではなくて、若くして自殺または失踪に至るくらいの孤独です。文系は研究しながら「光源氏は好きじゃない」「今私、孔明と知り合いになった」とか、劇中の人物達を友人や恋人にして会話できますが、理系の世界って、ことのほか自分の世界を切り開くらしいので寂しくならないんでしょうか。
南国&PAPUWAの高松についてどこまで応用出来るか分りませんが、彼は自殺や失踪はしなそうだなと思います。多分天才なのでしょうが、人恋しい天才なので。自分の研究の進展・完成より、先輩の長男であるキンタロー坊っちゃんがミルクを欲しがったら即行そっちに向かいそうな研究員高松。
(ルーザー様が生きていたらそんな感じだと思います。彼を失った後の高松は、生きているのが精一杯だったと思います。心がボロボロなので、ルーザー様の後任として高松を使いたいマジックから「弟は君を買っていたからね」と甘い事を言われてボンヤリ従っていそうです。
グンマへの愛情と罪の意識が芽生えるのは、正気を取り戻してからだと思いますが、ものすごく後だと思います。「この子はルーザー様を殺したも同然の男の子供だから傷つけていい」、「親が何をしたとしとしてもこの子には関係ない」という思いが高松の中で長い事均衡していたのでしょう。)
高松はルーザー様を失った後、キンちゃんに出会って初めて自分に誠実さを求めたのかもしれません。シンタローとグンマを傷つけた後での改心なので、もうどうにもなりませんが。きっと、ルーザー様や自分の様に科学を好んでくれるキンちゃんが可愛くてたまらなかったでしょう。この子のためなら一からやりなおそうと思ったとか。
科学者同士なら、ルーザー様と高松、キンちゃんと高松の間に競争が生まれそうです。ルーザー様が高松から「科学」を取り上げるのは実に簡単な事です。「来年には僕は父親になるから子供の面倒を見てくれ」と言われれば、流石の高松も一時休業でしょう。(育休前にとんでもない論文を書き上げるとか、逆にフル回転しそうでもある。)
キンちゃんと高松が「科学者」として対立する事ってあるんでしょうか。高松は「私の発見が貴方を喜ばせないのなら、この発見は破棄します」とか言いそうです。ルーザー様もキンちゃんも高松も、自分達が「所詮総帥のコマ」である事を意識しているので、喧嘩するより身内同士助け合いそうです。家族(仮)>科学なのが高松かなと。総帥(※マジ&シン)を動かす事は無理でも、高松が「家族(仮)」に自分の気持ちを伝えられたらいいなと思います。 |
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