■家族について考えていました。自分の家族についてではなくて、グンマの家族観についてです。結局は竹淵の家族観になるんでしょうか。グンマくらいの年齢の男性なら、「料理が上手くて優しくて可愛い女性と結婚して家庭を築きたい」とか思ってくれていいと思いますが、グンマの言う「本当の家族」とはそういうものではないようです。
（グンマは、南国でシンタローを偽物と呼んでまで自分の正当性をつかもうと悩んだキンちゃんに対し、「（高松は）嘘の家族」だの「（僕達は）本当の家族」だの言ったんだろうか。キンちゃんが南国のままのキレやすい子だったら、グンマに手を上げたと思う。南国後高松がキンちゃんに、「観察者の物差しによって真相なんて変わるもの」と科学研究の基礎について語らいついでに、「私は貴方のニセモノの家族だと思いますが、貴方の幸せを誰よりも願っています」と、ニセモノながらホンモノの愛を告白したのかなと思う。）
南国のグンマは「僕にはお父さんもお母さんも兄弟もいない。死んだお父さんの部下だった高松が、お父さんの代わりに僕の面倒を見てくれる。怖いけどマジック伯父様とシンちゃんもいるし寂しくない」という、ごくシンプルなものだったと思います。どんな漫画やアニメにもいそうな感じの子です。
南国のままでグンマは十分よかったのに。南国以降、グンマの中で「お父さんの部下」だった高松の存在だけがクローズアップされて、「汚らしい高松」と「本当の家族」という対立構造が出来てしまったと思います。「高松は汚い」という点ならシンタローももろ手を挙げて賛成するので、グンマが今後最もすがり付くだろう男の一人であるシンタローがそうである以上、南国グンマの「家族」だった「高松」の否定・拒絶・嫌悪が固定されたと思っています。
（「僕達、高松にひどい事されたね」と南国後グンマがシンタローに言えば、弱虫・バカ息子とグンマを馬鹿にしていたシンタローとも一気に距離が縮まる。キンちゃんは「ひどい事」を高松がした事実を知っても、高松も「ひどい事された」経緯を含んで嫌わないで欲しい。）
「守ってくれそうな男に頼る」という現状は南国時代の高グンのリピートなんですが、グンマはリピートに気が付いても無視するでしょう。「高松」を憎めば「前に進めない自分」への物足らなさは感じずに済みます。グンマにとって「家族」イメージは、２０〜３０代頃の優しい高松の姿のリピートに近いので、当然シンタロー命の実父や、近づくと吹っ飛ばされそうなハレ、グンマを完全に見下してるサビ、本来兄の自分が守るべきコタは、グンマを満足させません。（サビはPAPUWAでも「グンマには高松がいるだろ」とあっさりしていそう。何故だ。）
労せずして優しく接してくれそうなのはキンちゃんです。キンちゃんなので、高松から「私は早晩ガンマ団を去ると思います。どうかグンマ様を。」と言われているでしょうから、たゆまずグンマの力になろうとするでしょう。グンマを「家族」として見て、どちらかというと積極的に守ってくれる男が、まさしく「本人の希望」で高松のコピーである事に、グンマは気が付いても無視すると思います。
■マクロスFのコミカライズを読んでいましたら、ランカの心情がテレビアニメより自然で分り易かったです。ランカは監督が「誤解されやすい子」と言っていたくらいですし、バジュラと会話出来るあたり発想が常人を越えている所もあるので、かえって紙面で見てみた方がすんなり味わえそうです。
マクロスFにルカというメカに強いキャラがいまして。アニメではメカ系の出番というより、ナナセに片思いしている事からランカ〜ナナセ〜SMSの顔つなぎの様な子でした。コミックのマクロスFでは流石メカに強いだけあって、「滔々と機体について語り出し、周囲が聞いていない」というお約束をしていました。どこかで見た光景です。
■PAPUWAのキンちゃんです。戦闘機が飛び回っているマクロスFの世界でもメカの話をし過ぎると置いていかれるのに、科学者＝変態扱いに近い南国＆PAPUWAの世界で、「滔々としゃべって」はいけません。
アニメオタクが決して一般の方の前でアニメの話をしない様に。聞いてくれない可能性の方が強い人の前では、そんな話しないのが正解だと思いますが。キンちゃんはまだ「話さない」修行をしていない様です。
しかしキンちゃん、グンマは気に入らない話なら聞きませんし、シンタローも科学の話は好きじゃないと思います。他の一族も科学に食いつく男ではありませんし（ジャン・・・・・？）、約一名しかキンちゃんの御高説に飛びつく男を私は知りません。キンちゃん、そんなに高松と熱く科学の話をしていたのかと思うと、ホロリとします。高松も本望でしょう。 |
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