■週末は天気が怪しいので東京に一泊してスパークに参加しようと思います。一時間に一本の新幹線がどうかすれば参加そのものが危ういです。
■Gガンを見ていまして。Gガンとくれば今川監督です。ジャンアントロボの村雨をふと思い出しました。自分の意思に関わらず何度でも死んでは生き返る彼に、(勘違いかもしれませんが)ルーザー様を理解するきっかけを感じました。
劇中、村雨が銀鈴を守るためにヒィッツカラルドに引き裂かれた時、または銀鈴をブリッジに行かせるために焼け焦げた時、銀鈴は村雨に文字通り「1人にされる」訳ですが、「1人にされた」からって、「1人にされた」と銀鈴は村雨をなじったりしませんでした。彼に「自分の力になってくれた」と思ったかもしれません。
銀鈴の置かれていた複雑な立場を村雨が正確に理解し、銀鈴が10年間、そしてシズマ博士の一件以降、何を思っていたのか分かっただろう村雨はすごいと思います。「好きだから相手と一緒にいたい」という気持ちだけが全てじゃないんだなと思います。
ルーザー様は村雨になれるかもしれませんが、高松は銀鈴になれないと思います。高松がえげつないからではなくて、高松の頭が好きな相手の事で一杯だからです。(世界の行く末よりルーザー様とキンちゃんを優先しそうなのは、高松の中身が普通の奥さんで、普通の母親だからなのか)
■いくらでもおかしい所がある柴田亜美先生の漫画ですが、とりわけ困るのが、「キャラの立ち位置」が相当の確率でコロコロ変わるのが泣かせます。よくある、アウトローの主人公が自主的に人助けを重ねて、いつのまにか皆のヒーローになっていたとか肯定的で破綻しない展開ならいいんです。ですが。
今見ているGガンダムは「ガンダムファイターなんてまともな人間はならない」と最初言っていました。間違っているかもしれませんが、ガンダムファイターは舞台俳優みたいなもので、「注目され、ある程度の逸脱は多めに見てもらえる特異な立場だけど、きつくて辛く先が読めない不安定な仕事」なのだろうなと思っています。作品に筋は通っていると思います。
大好きなマクロスFも主人公は軍事請負会社に所属しています。「訳ありの人しかいない」そうです。マクロスシリーズは戦闘機ありきの作品なので、主役がある時は正規の軍人、ある時はさすらいのシンガーと色々です。「型破りな正規軍人」でも「在学中の新米パイロット」でも面白けば可です。お堅い軍人より、民間の方が機敏だねという視点ですし。キャラの立場が色々でも、ぶれてはいません。
■ここから本題です。 ■ルーザー様は到底カタギではないガンマ団に妻が所属し(・・・・医者の)、生まれてくる息子も将来は暗殺者にさせられるだろう事を憂いていて、自らがガンマ団の全ての罪を背負い、死に至る事を望んだとして。
(妻子を連れて逃げる事は、彼の立場とガンマ団の包囲網を思うと不可能だったと思う。なら比較的逃げやすい高松だけでも自然に退団に追い込めないかと思ってみても、高松は曲解して「ルーザー様に怒られた」「嫌われた」「もっとここで頑張らないと」とかえって混乱しそう。高松は「汚れるのも死ぬのもルーザー様と一緒、お子様が生まれるなら尚の事。」と変に思い切りのいい覚悟を1人で決めそうなので、いい加減高松の性格を理解していただろうルーザー様は自然、単独犯になると思う。)
マジックは殺したい親戚や内部の派閥、敵対勢力をミツヤとルーザー様がほぼ殺し尽くしたからスッキリと覇業へ。シンタローが見ているのは、通常営業のガンマ団なのでしょう。通常の姿でも暗殺者集団なのでカタギに程遠いですが、生憎、ルーザー様の意図は妻に完全には伝わらなかったらしく、高松はガンマ団にまだいます。
シンタローが棚ボタで総帥就任、ハレ・高松は追放されます。これくらいでガンマ団が小奇麗になったと信じたならシンタローの認識不足です。シンタローが遠征(ああそう)でいない時は、マジックがガンマ団を仕切っていますし、自分がいなくてもガンマ団をコントロールできるマジックにシンタローは遠く及びません。
ルーザー様の散華から30年くらい経ったあと、おかしな事が起きます。ジャンと高松が「最高機関」とやらに所属しています。最高機関とかいう以上、なんらかの公的機関なのでしょう。なんでジャンがそんな偉そうな仕事出来るんだと思います。能力があるかどうかじゃなくて、ガンマ団の士官学校じゃあるまいし、採用時にチェックが甘すぎたんでしょうか。
高松もそんな国家的な機関に所属できる身の上なら、何故、ルーザー様はあんなに悩んだんですか。マジックなら部下を「最高機関」とやらにねじ込むくらいしたでしょうが、シンタローは(色々な理由で)そういう事をしないと思います。ガンマ団とは所属している事が罪な団体なのか、ルーザー様が悩み過ぎたのか。
柴田亜美先生は戦争と言えばWW2末期の日本軍の様なイメージなのでしょうし、軍隊、戦争、侵略等の意味をフランクに使いまくっています。ファンタジーだからというより、ファンタジーであればこそ、せめて読んでいて破綻しないくらいの世界を築き上げる努力は必要だったろうと思います。秘石の設定だって、混乱を通り越して存在を無視しないともう二次創作も出来ません。 |
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