宮脇俊三氏の本を読んでいます。宮脇氏が乗り鉄の祖だと聞きますが、内田百間先生も乗り鉄の人です。内田先生の場合、乗り鉄と言っても茫洋としていて紀行文、ルポというより先生の普段の作品の一つとして読む内容のものなので、「鉄」=宮脇氏の方が正確かもしれません。
宮脇氏も内田先生も東大出身です。昔は進学といえば帝大しかなかったのですが、頭のいい人の書く文章だなと両者から感じます。無駄に情報を盛り込んで得意がる事がなく、「自分はこう感じた」という事を嫌味なく素直にまとめてあります。昔の人なので若干男尊女卑な文章でありますが、気にならない程度です。宮脇氏が「男の子は汽車が好き」と言うのですが、竹淵は女性なのでちょっと残念です。
■何故ルーザー様は高松の特別たり得たのかと思いました。高松なので普通に女の子を好きになったとしても、色々考えすぎて普通の恋が出来そうにないでしょう。傷つきやすいから日常で傲慢に振る舞ったりして、面倒くさい人です。
(マジック、ハレ・サビは高松の傲慢さは慢心からきているのではなく、性格でもあるし、次兄を失って以来の不安と焦燥と孤独からきているのだと多分知っていると思う。3人にまで威張る高松が可哀そうになってきた。成長したキンちゃんには甘えたり頼ったりして欲しい。)
ルーザー様、キンちゃん、高松の共通項はそのエネルギッシュさだと思います。PAPUWAのキンちゃんのワーカホリックぶりはルーザー様そのものなのでしょう。そしてキンちゃんの熱い部分を仕事という形になる様に導いたのは母たる高松だったと思います。いつまでもシンタローに喧嘩を売っていては困りますから。
■恐らく高松も、自身のエネルギーを有効に生かせるようにルーザー様から指導されたのだろうと思っています。厳しいし気分屋なルーザー様ですが、あの歳で第一線の男だったのですから、単なるわがままな人ではなかったと思います。高松がルーザー様を恩人と呼ぶのはまさにそこなのかなと。キンちゃんにも自分がしてもらったように、エネルギーが空回りして苦しまないようにしてあげるママ高松。
単純に「好き」なだけなら高松の事ですから一瞬の迷いの様にみなすと思います。そうでないから、ルーザー様は高松の特別であり、キンちゃんも父母の愛を感じる事が出来たのでしょう。
(グンマはエネルギッシュでないというより、普通の子なのだと思う。青の一族がライオンパパ、マジック、ミツヤ、ルーザー様、ハレの様に血の気の多い男ばかりなので、グンマが異端っぽく見えるけれど、あの子が普通なのだと思う。)
■高グン雑感です。南国とくれば高グンだった自分の思い出を再熱しようとしたら、行方不明になりそうです。
高松とグンマって、よくない意味での玉の輿なのかなと思いました。自分も婚活した事がありますが、男性に求める「高収入」「高学歴」「立派な資格」「男らしさ」とかは、「付き合ってそんな男性と結婚すればそれらが自分の物になるような気がするけど、やっぱり人のもの」という指摘を何かで読みました。自分は群馬で婚活したので、そんな都会的な男性自体最初からいませんでしたが。
追随を許さない程有能な高松が何を不足がる必要があるんだと思いますが、本人とすると思う所だらけだったのかもしれません。自分が得られない物を生まれながらにして全て持っているグンマに慕われ、グンマの無くてはならない人になる事でカタルシスを得ようとしたのかなと。
高グンにグンマを追い込む方法として ■グンマを一人ぼっちにさせる ■学校友達なんてもってのほか ■グンマに合っているのかどうか分からないけど理系に導く。高松の守備範囲から逃さない。 ■グンマには高松しかいないのだと周囲にも思わせる
そこまでしなくともグンマは高松に懐いたろうと思いますが、「大勢いる使用人の一人」では高松が不満です。逆に言うとそこまで「ルーザー様の息子」であるグンマに対し自由が利くという事は、高松がマジック・ハレ・サビから一目置かれているという事です。ひがみ根性丸出しで高グンを追求しなくとも、高松はもっとリラックスして生きられれば、みんなの「家族」たり得たと思います。
■高松は、この世の全ての金と力を先天的に持っているグンマを得る事で、青の一族に対するコンプレックスを少しは解消出来たのだろうかと思いました。ルーザー様への恋に起因する高松の劣等感はあると思いますが、ルーザー様の辞書に「一族外の誰かと結婚して新しく家族を築く」というイメージが無いので、他人の高松がルーザー様と何らかの関係を持つには「部下」くらいしかなかったでしょう。
(身近に「結婚」した人が皆無なので、結婚願望自体ゼロっぽいルーザー様。高松に抱いた感情が何だったのか自分では知らずに他界していった気がする。) |
|