madeingermany

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...... 2014年07月25日 の日記 ......
■ 高グン   [ NO. 2014072501-1 ]
谷崎源氏を朝顔まで読みました。その前の薄雲で藤壺が亡くなっています。都に起きる天変地異を「自分が源氏を一回や二回でなく受け入れ、子までなして帝を裏切り、しかもその子が帝になったから」と悩む藤壺が痛ましいと言うか、出家しても源氏は相変わらず言い寄るし、実は自分も悪い気がしないし、父息子両方からこよなく愛された分、報いはあったのかなと。

冷泉が帝の子でなく源氏の子だと知っているのは、当事者の藤壺・源氏、源氏を招いた命婦、藤壺から懺悔を聞いた僧都、僧都から聞かされた冷泉だけです。帝が知っていたかは不明です。

帝が藤壺は自分の子を生んだと思っているのなら。帝に身に覚えがある訳で、何故劇中で冷泉は源氏の子供だと言い切れるのでしょう。藤壺が帝としばらく会っていない里帰りしていた頃に、源氏が彼女に言い寄って出来た子供だから冷泉は源氏の子供なんですが、なら帝は「冷泉は自分の子供ではない」と分かります。



帝は朱雀の様に寝取られても愚痴らなかっただけで、知っていたのではと思います。騒ぎ立てないのが帝の選択だったのかも。幼女、従妹、叔母、友人の愛人、息子の嫁、愛人の娘、兄の妃、蟄居先の地元の姫などなどに遠慮なかった源氏が、藤壺だけ例外だったなんて帝は思うでしょうか。桐壺・朱雀の妃を汚し、冷泉の秋好中宮にまで色好みを発揮する源氏についていけません。

(源氏は真面目な男で浮気者には見えないと言うのが劇中の評判なのだけど、「例の癖が始まった」「色恋は止められない」「これでも我慢している」との描写もあるので、帝は自分の息子の悪行が世に知れるのを嫌がっただけなのでは。)




■高松の嫌な所って、グンマにまつわる部分でよく出ているなと思います。「親の様に」とか「熱心にお世話」とか、グンマは喜んで受け入れていると見えて、そうでなかったのかも。南国アニメだけ見れば「幼げなお坊ちゃん」と「熱い家庭教師」な感じで好ましいのに。

(グンマはエヴァのレイみたいに最後で高松に逆らったり、漫画のリツコさんみたいに、自分からプライドと安らぎを奪った男を射殺しようとしたりしてもいいと思うのだけど。困った事にグンマは高松に代わる存在を得ていない。「この男が死ぬと自分は孤独になる」と思えば、口答えも出来ない。レイはゲンドウではなくシンジを選び、リツコさんは物語の進行と比例して罪悪感と失望・絶望感が深まって死を選んでしまった。)


■高松はグンマに一回は、
「貴方のお父様は貴方が生まれる前に亡くなりました」「貴方のお母様はご存命らしいとは聞いておりますが、一族の都合で会わせて差し上げる事は出来ません」
「貴方に御兄弟はいらっしゃいません」
「貴方は私を頼るしかないんです」
「貴方は伯父様の学校に行くも行かないも自由ですが、私は貴方に家の中だけに居て頂いて、趣味でもしていてもらった方が都合がいいんですけどね(※意訳)」

と、言ったと思います。全部嘘です。お母さんに会えないのは本当ですが、高松の立場上、青の一族の出生に関わった女性達の連絡先は把握しているでしょう。もしいつかキンちゃんが「母さんに会いたい」と言えば、高松は悩むと思います。キンちゃんにはお母さんに会わせてあげようとして、高松の苦しむ姿を見たキンちゃんが「やっぱりいい」と言うのでしょうか。



■グンマはシンタローと一緒に伯父様の学校に行ってもいいし、友達を作って、高松なんか最初から側にいなかったように溌剌と暮らす事だって出来たでしょう。高松が暗に許さなかったか、「僕には高松しかいない」と軽い催眠状態にあって、グンマが我慢していただけで。

親であれば子供のわがままや、誤った事を叱る義務がありますが、高松とグンマの場合違うかもしれません。「私がいいと言った事だけして下さい」という誘導だったから、グンマは24歳になってもああだったのでは。

憎たらしい事に、高松はキンちゃんにはそんな鬼のような事はしません。真実を言えそうな時が来れば即行で言うし、怒りに満ちたキンちゃんに身をさらす事も迷いません。選択的に悪い事をするのが高松の嫌な所でしょう。

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