妄想です。ルーザー様が生きていて、高松がキンちゃんの育児にあたったら。高松は士官学校では、自分の事をドクター、又は高松先生とキンちゃんに呼ばせるんでしょうか。家では「高松」「キンタロー様」だけど、キンちゃんが学校で特別扱いされてもよくないから。
入学前に「学校では私の事を先生と呼んで下さい。私も貴方様を学校では一人の生徒として指導します。」と言って聞かせる高松と、高松に敬語を使おうと頑張るキンタロー様。
家の居間で訓練し、キンちゃんが高松に「高松先生」と言えるようになると、大喜びで鼻血を出し、キンちゃんを抱きしめる高松。一部始終を見ていて、僕が教壇に立った方がいいんじゃないかと思うルーザー様。(ルーザー様が教員だったら、とても青の一族らしい学校になると思う。)
■谷崎源氏を読んでいます。
■源氏が夕霧に教育を施す場面があるのですが、高い身分を最初から与えず、勉強と仕事に打ち込ませ、左大臣家から源氏の所に引っ越しても、義母の紫の上とほぼ面会謝絶って、教育と言うより、夕霧を牽制している様に見えます。第二の源氏になって、父親の愛人達を襲わない様に。
雲居の雁との初恋すら周囲に咎められる夕霧がかわいそうというか。玉鬘の件で源氏に対し「あいつ俺の娘を愛人の一人にする気だ」と頭中将が断言するくらいなので、源氏の周りの淫靡さは隠しようがないのだと思います。(内裏には沢山の部屋があってお妃達がそれぞれ住んでいるけど、一応臣下の源氏が内裏もどきを作ると不似合に思える)
源氏がつまらないのは、源氏よりずっと常識的に生きている夕霧、柏木、薫、匂宮達が不幸な目に遭うからだと思います。源氏にこそ天罰が下ればいいのに。物語の後半苦しむのは罪のない若者達や、紫の上、女三宮達です。
■源氏は位人臣を極めるのですが、思えば源氏は帝の次男なので、十分帝になれる男でした。帝になれそうでなれないのが源氏のジレンマで、それを補う様に、若い頃は身内の皇女や貴人の妻達を奪って歩いたのかもしれません。(身分ある彼女達の後援やコネで出世するんだから、源氏が心から反省するはずがない。末摘花も一応皇室に連なる女性なので源氏のブランド好きが伺える。)
源氏と言うと華やかな「色好み」として語られますが、須磨から帰ってからは大人しくしていようと心掛けている様です。心から兄の妃を汚した事を後悔しているのではなくて、紫の上に言い訳しながら昔の愛人の所へ通うとか、愛人が生んだ娘達が美しくなったから、父親顔で少女達に言い寄る方にシフトチェンジしただけですが。「貴方より高貴な女性の所へ浮気しに行くけど、気にしないでね」と紫の上に言いながら外出する源氏。
紫の上がもう20代半ばなので、源氏の色好みの際限のなさに悩むようになりました。源氏は若い頃は「色好みなんて恥ずかしい」「親戚の女性に挨拶に行くだけ」「義理のお母さんのお顔を見るだけ」「友達の愛人に興味があるだけ」と控えめだったのが、大人になってふてぶてしくなりました。
■多分、「母」という最大の禁忌を破っても、誰からもおとがめがなかったので図々しくなったのだと思います。ライバル右大臣家の愛娘であり兄の妃の朧月夜なんて、藤壺に比べれば源氏には些細らしく、「罪もないのに須磨に行かねばならない」とか言ってますし。
藤壺は都の天候が荒れて自身が責められている気になり、ストレス過多で亡くなりましたが、源氏はお気楽なものです。「来世では藤壺と同じ蓮の葉の上にいたい」とかイラッとします。
冷泉に「貴方の父は源氏」と言った僧都は何がしたかったのか。僧都自身、藤壺の出家と死でストレス過多だったのかもしれません。冷泉に言ってしまえば多少は気が晴れたのかも。天地が藤壺の罪を罰しているのなら、源氏こそ罰されるべきですが、冷泉は源氏に譲位しようとします。親への孝養という事かもしれませんが、冷泉もストレス過多でおかしくなったのでしょうか。
桐壺帝も兄弟達より早めに亡くなりますので、多分、源氏の妻への悪行を知っていたのではと思います。母を早めに亡くした可哀そうな子として源氏を溺愛していたものだから、我慢しつづけたのかも。 |
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