■プライドが高いのと、計算高いのは似ている気がします。自分は三国志や源氏物語の時系列を語れと言われたら出来そうですが、職場の飲み会等はめまいを起こすくらい苦手です。人間関係が下手と言うより、人同士の事が全て不得手です。張り合うプライドも、他人の心を読み解く手腕も持ち合わせません。
PAPUWAのグンマはプライドが高い気がします、か弱さをサラッと示して、キンちゃんに使い走りさせるのは誰に似たんでしょう。グンマが内心、自分は総帥の子で、キンちゃんは所詮次男の子と思っていたら、別に間違いではないと思います。
グンマが、高松以下、秘石眼を持たない他人からの愛情や思いやりを獲得するために、両目の秘石眼を自分で抑え込んでいたのなら、彼は役者だと思います。嬰児交換については流石に思い及ばなかった様ですが、一族で殺人鬼同然の扱いのルーザー様が父親とされていたのですから、自分までも危険視される理由はわからなくとも、周囲への「僕は怖くないよ」というアピールを身に着けたのは自然な事だったと思います。
(高松は、一族の異端扱いであるルーザー様をかばう様な事を、一切グンマに言っていないと思う。ルーザー様を懐かしむ事自体、マジックには不愉快な事だろうし、マジックを怒らせてまで、ルーザー様の事を高松はグンマに語らないだろう。キンちゃんのためなら、ルーザー様への愛情や誇りをかけて戦う事も辞さない高松の、何とぞんざいな事か。)
しつこいですがエヴァのミサトが理解出来ないのは、彼女が周囲の人間を見下し、査定し、勝手に彼等の価値を決めるからです。ゲンドウ、コウゾウはわからんちん、リツコは仕事バカの冷血女、マコト達はアタシがいないと何もできない、シンジは玩弄物、レイは置物、アスカは余計と本気で思っていそうです。
ゲンドウ、コウゾウ、リツコ、加持がミサトに真意をもらさないのは、ミサトの知る必要のない事だからであって。マコト達はミサトの部下だからミサトの指示で動くのであって。パイロット三人もミサトとは基本他人でいたいのでは。いつもミサトはプライベートと仕事がごちゃ混ぜです。
皆、ミサトがしている「明るくて強いオンナ」の演技を見破っていると思います。実質ネルフを動かしているのはこのアタシ一人、という自負が無ければ、ゲンドウの息子のシンジなんて預からないでしょう。
ミサトのプライドは、周囲を自分の思う様に動かす手際の良さへの自負に他ならない気がします。「セクシーで明るいお姉さん」としてシンジに見られたくて、バスト丸出しの写真なんて送ったのでしょうから。
■風と共に去りぬのスカーレットは、ある意味颯爽とした女傑でありますが、読んでいると徐々に疑問を感じる所が出てきます。アシュレーにのぼせ上り、その結果チャールズと無理に結婚した事や、ウェードを全く可愛がらないあたりは若いからと思いました。
スカーレットのあかん所は、フランクとの結婚以降明るみになるなと思いました。フランクは甲斐性なしの初老男性だったかもしれませんが、スカーレットを愛していました。とんでもない悪女と結婚した事は彼も認めるでしょうが、スエレンと婚約同然だった頃から、スカーレットを尊重していたと思います。
スカーレットが危険地域で単身馬車に乗り、強姦されかかった時。多分一番傷ついたのはフランクだったでしょう。スカーレットは自分の傲慢さが強姦未遂を引き起こした事も忘れて、フランクの怒りや悲しみを全く想像しません。フランクはスカーレットに何も言わないで報復に向かい、死んでしまいます。
スカーレットは、強姦されかかって傷ついた自分を、抱きしめたり、なでたり、甘い言葉を掛けたりして慰めないフランクをなじっています。フランクが悪い訳でなく、彼は妻を守る手段を一生懸命講じていました。スカーレットがフランクをバカにして、彼の忠告を無視しただけで。
スカーレットは自分を愛しているなら、自分に優しくしてくれるはずだと、いつも誰にでも威張り散らします。ウェードやエラにも冷たく、幼い彼等に罰を与える事しか考えません。たまに息子を大学に行かせたいとか言い出しますが、ケチな彼女が学費なんて出さないでしょう。
フランクは彼女の思う、夢の中のアシュレーの様な王子様じみた振る舞いこそ出来なくとも、彼なりに妻を大事にしていたのだと思います。エラの誕生を喜んでいましたし。スカーレットに踏みにじられるように死んでいったフランクですが、彼の完成された人間味はよく分かりました。
自分を愛しているならこうしろ、ああしろと責め立てるスカーレットが悪いんです。自分は誰の事も愛さないのに。製材所を経営する彼女は立派ですが、それも彼女が普通の奥さんとして暮らす事が出来ない故の、オマケの様な成功であって、フランクだってどうにか妻と娘を養えるくらいの事はしたでしょう。 |
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