■スパークの本を書いていたら、高松がすごく女性的に思えました。本編からしてやや女性っぽいと思いますが、怒っている時、やる気になっている時ならいざ知らず、嬉しかったり感傷的な時の高松はすごく女性なんだろうなと思います。
高松は男性なんだから男性的に書こうと、数年前はちょっと思いましたが、彼の鼻血を出す理由がそもそも乙女らしいので、キンちゃんが自分の原稿に出て来た瞬間にもう立派な乙女でした。好きな人との運命を信じられて喜ぶとか、とても女性だと思いますがどうでしょう。
ルザ高、キン高を書いていて、高松のポジションってなんだろうなと思いました。青の一族にタメ口の高松はあり得ないだろうし、服従したいくらい崇拝出来る相手がいないと、高松のエネルギーが完全燃焼されないために、もしキンちゃんに「普通にしてくれ」と言われても高松には出来ないと思います。
大好きな人からいつまでも臣従を誓われるのも面倒じゃないかと思いますが、高松が無意識でルーザー様とキンちゃんに言っているのは「私の王子様でいて下さい(私をお姫様にして下さい)」という事かもしれないので、彼のメッセージを受け取るのもありかもしれません。(春琴抄の佐助のエゴを思い出した)
■南国&PAPUWAのアラシヤマの特徴は、自分の考えている事、思っている事をほぼ全て面に出す事でしょうか。マーカーと一緒にいる頃、アラシヤマはきっと安心して喜怒哀楽を自由に出していたんだろうなと思います。
自由に感情を出すと言えばミヤギもその傾向がある気がしますが、ミヤギは人から嫌がられる事は少なそうです。前向きで印象がいいとか、顔がいいからとか客観的な理由もあると思いますが、根明の勝利でしょうか。ベストフレンドのトットリは職業柄、墓まで秘密を持って行くタイプなのかも。
笑ったり泣いたりが激しそうなキャラとしてグンマも挙げていいと思いますが、素のグンマはそんなに感情を人に見せない気がします。頻繁に笑ったり泣いたりすれば、その外面で高松はグンマを判断し、それ以上は触れないでしょう。憎い男の息子のグンマにどう接すればいいのか高松は悩んだと思うので、そんな高松から「相手に自分の気持ちを察されない技術」をグンマは身に着けてしまったのでは。
コージ、キンちゃんは根明というか、湿っぽくないだけで裏表の少ない点がアラシヤマに似ているのかなと思います。言いたいこと言い合うだけでは、周囲と折り合えない訳だから、トットリ、シンタローという調整型のキャラが大事になってくるのでしょう。
アラシヤマが、同年代の少年達と無事やっていけるのかマーカーが死ぬ程案じた結果が、「己以外は〜」というアドバイスなのかなと思います。
アラシヤマの、皆と打ち解けて楽しく勉強や運動に励むという事が甚だしく不得意だろう事はマーカーにも分かっていたと思います。ならばアラシヤマに、ミステリアスな優等生くらいの立ち位置を獲得させてあげたいと思ったのかもしれません。
不幸にもアラシヤマの同窓生に、シンタローがいました。シンタローがいなければ、「ちょっと優秀な生徒」くらいの立ち位置をアラシヤマは獲得したかもしれません。しかしシンタローがいればおのずと周囲の賛嘆の目はシンタローに行き、アラシヤマは性格の悪い部分ばかりが目立つかもしれません。
マーカーの「己以外は〜」の教えは、周囲の雑音や些事を受け流しなさいという事だったのでしょう。栃木出身の子を田舎者だと見下せとは、マーカーは言っていなかったのでは。「遠くから来て大変だ」くらいの反応にとどめておけばよかったのに。 |
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