madeingermany

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...... 2015年10月02日 の日記 ......
■ 復讐劇   [ NO. 2015100201-1 ]
■ノーサンガー・アベイを読んでいます。17歳の娘さんが社交界デビューする話です。小説的でロマンチックな憧れや、田園的な純朴さから卒業し、彼女が生涯の伴侶を得るまでの物語です。皮肉たっぷりでも、オースティンなのでお気楽なラブストーリーです。安定感は英国ものの強みである気がします。

出会い、相互理解、結婚という段取りでひたすらオースティンものは描かれます。安心して読めるので有難いです。高慢と偏見を読んだという漱石の書く結婚観、男女観は、中流階級を批判的に描いたと言う点がオースティンに似ていますが、漱石の方がやや薄幸そうです。

オースティンが男女の結婚までの一騒動を好んで書いたのなら、結婚後の試練みたいなものを漱石は題材に選んだのかなと思います。明暗は、まさしくエリザベスの様な利発な女性としてお延が出てきます。お延の結婚が間違いだったのか、津田と清子の再縁はあり得るのかなど興味は尽きませんが、作品が不幸そうなのは漱石の癖みたいに思えます。



■穏やかでない表題ですみません。南国で頭のいい高松が復讐とか言い出すので、復讐について考えていました。

復讐というとOVAジャイアントロボの幻夜を思い出します。普通、復讐なんてする奴は悪役と思いますが、どうも銀鈴と幻夜なら、幻夜の方が肯定的に描かれていたと思います。

銀鈴は少女時代に父を失い、偉い科学者のお嬢様なのに国警入り。テレポートで体に大半を失った後に、はってまで兄に復讐をやめさせようとしたのに、兄(幻夜)に射殺されています。一人の女性である銀鈴が何をしたんだと思いますが、物語がフォーグラー博士を崇める傾向にあるので、博士の娘として生きる事が出来なかった銀鈴に冷たいのかもしれません。

以下は、南国&PAPUWAについての復讐雑感です。



・高松は永遠に嬰児交換について黙っているつもりだったのだろうか。マジックが黒髪で秘石眼でないシンタローに、お前は私の子ではないとか本当にキレる時が来たら、満を持して白状し、おあいにく様でしたと言う気だったのだろうか。

マジックと同じくらい、高松はシンタローに愛情と疑惑を感じていたと思う。もしシンタローが科学に特別な興味を抱いたり、高松に親愛を向けていたら、高松はずっと早く白状したと思う。でも全くルーザー様に似ていないシンタローに、高松が警戒心を解く事はなかったと思う。

高松にはグンマが切り札で、何かの時にマジックの実子の首根っこを握っているのは私だと言い張る気だったのだろうか。マジックの実子と言えば両目秘石眼の覇王の血統で、一般人の高松には制御も親交も及ばない子なのに。

いずれにせよ、高松が求めていたルーザー様の面影はシンタローにもグンマにもなかった。彼等が成人しても同じ事で、程よい怠惰的な時間を高松は味わったのだろう。キンちゃんの登場で、高松は復讐なんちゃらを止め、怠惰も不誠実もやめたのかもしれない。

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