■湯治と言っても山あいの小さな温泉宿に二泊しただけですが、帰って来ました。季節柄、道中はヒマワリ畑や大きなノウゼンカズラの花にあふれ、美しかったです。
いい温泉でした。宿は静かで家庭的でした。御飯も美味しく、気儘に過ごさせてもらいました。お湯はぬるめの低刺激で、一日何回入っても湯あたりしないです。
旅館で井上靖のしろばんばを読んでいました。湯ヶ島温泉の描写が素晴らしく、人間関係の描写もいいなと思いました。おぬい婆さんの奇妙な立ち位置が、洪作の周囲の大人達のもめごとの始まりになります。
おぬいを落籍した洪作の曽祖父辰之助は、自分に実子が無かったのを女性達のせいにしなかったと思います。おしながいるのに堂々とおぬいを落籍して側に置いたのも、主は実子欲しさだったのかなと思います。
辰之助との子供に恵まれないまま、おぬいは初老を迎え、辰之助の義理の孫である七重を養女にし、更に人間関係が複雑になります。洪作がおぬいをおばあちゃんと呼ぶのは、戸籍上正しいのです。インテリだった辰之助らしい、おぬいへの救済だったと思います。
おぬいも若かったら辰之助亡き後、次の場所へ行ったかもしれませんが、もう初老では困難でしょう。芸妓ならおぬいには芸事で身を立てる道はなかったのかと思いますが、三味線や踊りについて触れられる事はないようです。辰之助が何故おぬいを落籍してまで、しかも故郷に連れて来たかと言えば、やはり好きだったからと言えるのかもしれません。
■同じキャラの、若い頃・成人後等の姿を集めて描くのが好きだったので、久しぶりに描いてみました。高松の場合余り変化がないと言うか、番外編の20代の姿とメインの40代の姿に大きな変化が認められません。
アジア系だから余り変わらないのか、10代の最後に相当変わったのかだったのだろうかと思います。入稿後の気楽さで、高松同士のバトルロイヤルを想像しました。
■高松同士のバトルロイヤル ■高松は傲慢に見えて、バトルシーンでも対戦相手の出方をうかがう方だと思うので、滅茶苦茶アグレシッブな戦い方はしないだろうと思う。 ■自分相手ならどう出るのか。
・高松が4人いる。 ・10代学生松 最も気性が激しい、辛い片思い中 ・20〜30代、最も罪の思い頃の高松、 ・40代短髪の高松、罪を自白し出るとこに出た後 ・50代高松 キンちゃんも成長し一段落
■4人の議題はただ一つ。 誰が最もルーザー様にふさわしいか。各高松の言い分。
・10代「私が時期的に一番ルーザー様に近しいのは明白です」 ・20〜30代「この頃の私が仕事で成果を出したからこそ、今後の私の地位があるのだから、3人は引いて下さい」
・40代「所詮罪人は罪人。罪が許されるまでは何をしても同じです。告白する勇気もないなら、ルーザー様の横にいる資格はないでしょう」 ・50代「私には御立派になられたキンタロー様がおられるので過分は望みません。皆は皆で決めて下さい」
ルーザー様は、年下の面倒を(彼なりに)見るのに積極的でも、基本的には年上の方が好きだと思うので、50代高松に軍配を上げるんじゃないかと思う。 |
|