■月の初めだからグンマについて考えていました。グンマと言えば高松とのコンビですが、あれは形式美かもしれないと思いました。黒執事でシエルにセバスチャンがケーキを焼き、紅茶をいれる様な。悪魔は飲食しないし、お菓子を美味しいとは思わないそうです。
可愛いシエルがグンマ、悪魔な高松がセバスではなく。逆です。運命とか愛情とか心のどこかで信じているのが高松、茶番でもゲームでも飲み込んで動くのがグンマです。
グンマと言えば甘いお菓子ですが。彼はもう甘味を感じていないかもしれないと思いました。高松とグンマは全てを共有し、グンマの思い出は高松の創造物でもあります。しかし、味覚だけは二人は共有しなかったと思います。
共有しにくい分野だからとも言えるし、高松は自分の好きなものや美味しいと思うものを、過去グンマに与えなかった様な気がしました。全てはグンマ仕様であり、高松個人のものは封がしてあった気がします。
キンちゃんは好き勝手に封を剥いで、醤油豆でお酒を飲んだり、高松に出されるままウドンを食べたりしていそうです。キンちゃんに演技や演出は出来なそうです。
■出版業界をリアルに描いたという、重版出来を最新刊まで読みました。以下は感想です。出版社とは、作家とはというより、ヒューマンドラマとして自分は読みました。全ては漫画雑誌にだけ起きる事ではなくて、生きていれば皆悩む道なのだと思いました。
・ヒロインは体育会系女子大生だったと言う事だが、故に恋愛に興味がない、というのは彼女が体育会系だからではなく、彼女自身の気質だろうと思う。
自分のいた大学の運動部では、間違いなく全ての男女がカップルだった。入って早々、「どの男の子が気になる?」と聞かれ、挙げた人が聞いた人の彼氏だった時には驚いた。彼女とは泰然としたものだと思った。
ヒロインは体育会系という説明は分かりやすいけど、読めども読めども、ヒロインのお話にならないのにはちょっと驚いた。むしろ細切れになって語られる作家さん達の話が読みたくなった。作画担当を任され、休学してまで頑張ったのに、心を病む寸前になった女の子とか。
中田伯の今後が異様に気になり過ぎて、ヒロインのパワーとか、編集部とかが彼を救えるの不安になった。社会人同士、まさかそこまで個人に深入りしないだろうし。あくまで漫画家、あくまで一個の作家さんの不屈のお話として重版出来を読むのは楽しいけど、中田伯の物語は彼が脇役であるのが残念に思えた。
ヒューマンドラマ、大人になった「漫画好き」達の不屈のお話として、次の重版出来のコミックスも待ちたい。ただ、もう中田伯の問題は家族の問題、社会の問題、法的、経済的な問題だから、そこまで漫画の力があるのか、柔道とか阪神ファンとかの喜怒哀楽と色合いが過去となるのではと思う。
ヒロインが「結婚しないで働く」、作画担当だった女子大生が「休学する」のも一大事だけど、ヒロインには素敵な家族がいて、女子大生には献身的な彼氏がいるのだから恵まれているなあと思った。 |
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