■どのくらいキンちゃんが、高松の事を信じているのか考えてました。高松とは何年か離れていても、自分が過労で体調不良だと伝われば、地球の裏側からでも診察に来るくらいの関係だと思っていると思います。
あとは妄想ですが。ルーザー様が生きていて、高松がキンちゃんを幼児期から育てていたら。グンマと高松は「お抱え医師」くらいの立場で。
如何に高松でも彼等の秘石眼の痛みや、石関係の事は手が出せません。グンマは二つも秘石眼があるので、痛みも苦労も半端無さそうです。「痛い」のに何も施さない医者の高松を嫌うグンマ。
高松はキンちゃんに対しては、ハレやルーザー様を観察して得た知識から、手探りで目を看護しそうです。手探り過ぎてお偉い子供であるグンマに同じ事は出来ません。幼いキンちゃんは「高松は俺の事を分かってくれる」と認識し、グンマは「高松に払う金が惜しい」と子供心に思いそうです。
■温かい話を書こうとして、大体失敗します。パプワで二次創作をさせて頂いて4年近いですが、いまだにグンマと高松の妥協点が見いだせません。多分高松が懺悔し、グンマに全ての判決が委ねられるのだろうと思います。
グンマとすると。公式に親代わりであった高松を今更足蹴にすれば皆が変に思うでしょうし、かといって彼を許す気にはなれないと思います。高松の被害者という訳ではないキンちゃんは「その辺で許してやれ」モードだろうし、自分が何の行動も起こさないままでいれば、あたかも高松の薄汚さを受け入れている様に見られる訳で。
康成はどうしてそうなるのかまるで分らない奇妙な事件を書きますが、余りに冷徹に書き進めるので、読み終わった後にゾッとします。書き手としての感情面は、きっとまるで揺らいでいないのでしょう。
「何々ちゃんは幸せでないとイヤ」なんて思う康成は想像出来ません。漱石の言っていた非人情を、康成を読んでいて初めて見つけた気がします。
■シンタローって、徳川家光みたいだなと思いました。大昔、将軍家光忍び旅という時代劇がありましたが、シンタローが島に行っても忍び旅みたいなものかなと思うと、自分は納得出来ました。あくまで竹淵がそう思うだけなので、多分不正解です。
何故大企業や、大家の後継ぎは一族の子供達でないとならないかと言えば、まさしく風土とか、呼吸とか、到底普通の人、一族でない人間には知る事すらないものがあるからかなと思います。
リーダーの第一子として溺愛された人くらいしか、素直に「継ごう」とは思わないでしょう。うっかり「こいつらには代々酷い目に遭わされた」と言う人間が組織に近づけば、組織に終焉が近づく様な行為ばかりするかもしれません。
徳川家光は、「自分は生まれながらの将軍だから、皆そのつもりでいるように」と言ったらしいです。確かに秀忠の頃は戦国末期で過酷そのもの。家康の時代も時は戦国世は地獄です。さらに上の松平家の方になると、今川家と織田家、武田の間にひっそりと暮らす小ぶりな存在だったでしょう。
まさか誰も太平の世が来るとは思えなかったと思います。でも家光達若い代に、「自分達は苦労した」と言っても伝わらないだろうし、太平の世に城つくりや、鉄砲や火器を集めてもかえって不穏で疑われます。(←シンタローに怪しまれるドクターは、まさにこの辺かもしれない)
まったく上の世代と切り離され、巨大な権利だけが目の前にあるのが家光であり、シンタローなのかなと思います。家光は家光の苦労、シンタローはシンタローの苦労があると思いますが、少なくとも野生動物の様な食い合いをシンタローが経験したかと言えば、そうではないと思います。
家光はほんの少し前まではカケラもなかった幕府、徳川家というものを背骨にするのだろうと思います。「ほんの数十年前に徳川家なんてなかった」と言っても仕方ありません。
シンタローも、マジックと言う戦国大名の勝ち得た全てを当然の様に自分の糧にして、新生何々に乗り出すのだと思います。当然の様にというか、マジックはシンタロー以外が自分の財産を引き継ぐのを許さないと思うので、どうであれシンタローが継ぐのですが。 |
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