madeingermany

[PREV] [NEXT]
...... 2017年02月23日 の日記 ......
■ 谷崎   [ NO. 2017022301-1 ]

■多分キンちゃんは、根が単純な子なんだろうなと思います。何故南国でシンタローに喧嘩を売ったかと言えば、「シンタローがいるから俺は父に愛されない」と言う認知が、彼の中で起きたからだろうと思います。

シンタローがいるから、父に愛されない子と言えば。コタローとグンマもそうです。コタローは敵意を真っ直ぐに父に向けたので、キンちゃん寄りなのかもしれません。

グンマは、巨大な電子機器みたいなのが彼の中にあって、「父に愛されない」事を、恐らく説明されても全く分からない方法で、処理している気がします。




■漢検と英検を、高校の時にそれぞれ二級を取りました。進学に有利になるのかなと当時思いましたが、今になっては分かりません。

それぞれの試験に受かった時。私はやたら自慢でした。天狗になって学校の先生に自慢したら、「漢検英検の二級なんて誰でも持っている」と言われました。



言われた当時は軽くショックでしたが、あの時先生にたしなめられなければ、自分はずっと二級を自慢していたのでしょうか。そう思うと、先生に感謝します。

母は「竹淵はお母さん何も心配ない」とよく言います。心配ない訳じゃない、学校の先生達に鼻をへし折ってもらったり、親に相談すればいい様な内容の話を延々先生方に聞いてもらっていただけでした。忙しいかったろうに、付き合ってくれた先生には今でも感謝しています。




■漱石がひたすら、「不幸な人妻」を書く事に執心している様に見えるのに似て。谷崎は「金持ちの夫人」を書く事に熱心に思えます。

漱石の場合、やはり「不幸」なのは楠緒子さんだったのでしょうか。楠緒子さんが漱石をどう思っていたのかは分かりませんが、延々「あの女性は、あの男と結婚して不幸になった(=だから俺と結婚するべきだった?)と、名作と呼ばれる作品群で唸られても、面倒くさいでしょう。

気になるのは、虞美人草で漱石に殺された藤尾は、誰だったのかという事です。何でも態度や口に出す藤尾の部分は鏡子さんに思えますが、生き死ににまで至るほどの激しさは、若い漱石の楠緒子さんへの思いの様に感じます。




さて谷崎ですが。「金がない」という事を執拗に避けているせいか、細雪の鶴子一家の描き方はコミカルと言ってもいい雰囲気です。一大財産を築いた商家の総領娘、鶴子は、衰弱していく「家」を率いて東京に引っ越します。

鶴子が渋谷の家で、亡父の残した美術品のいくつかを客間に置いている描写があります。大金持ちといいって言い亡父の遺産なのに、描写は素っ気ないです。「お宝がこんな内所の苦しい家に来て、不釣合い。かえって、渋谷の家のむさくるしさが目立つ。不似合いな場所に置かれたお宝は、大阪からこんな所に来てしまった鶴子の様にちぐはぐ(大意)」とまで言います。

劇中で「褒める」時は、神仏を崇める様に描く谷崎の、そうでない時の筆致が主に鶴子一家に注がれていて、鶴子達がかわいそうに思えます。


...... トラックバックURL ......
  クリップボードにコピー

...... 返信を書く ......
[コメントを書く]
タイトル:
お名前:
メール:
URL:
文字色:
コメント :
削除用PW:
投稿キー: