■ルーザー様の、生涯壊して回ったものは「大好きな人の大事なもの」だったと思います。
マジックの大事なもの・・・父の代からの部下達 ハレ・・・ペットの小鳥 サビ・・・ジャン 高松・・・ルーザー様 キンちゃん・・・高松とルーザー様
グンマはルーザー様と深く関わったとは言い難いですが、関われば何かしら壊されていたでしょう。グンマのメカの数々なら他のキャラでも壊しますが、もっとグンマをえぐる何かを、ルーザー様は見つけそうです。ライオンパパも、生きていればいつか何かをルーザー様に壊されたでしょう。
善悪の区別がつかなから壊すのでないと思います。ルーザー様は意識しているか分かりませんが、明らかな目的を持って、周囲の人の大事なものを壊すのだと思います。
「そんなものを見ていないで。僕を見て」とルーザー様は言っていた気がします。高松以外は、ルーザー様が「最も大事」とは思っていないでしょう。ルーザー様は大事な兄弟だけど、それぞれもっと大事なものを抱えています。
大事なものを壊されて、壊した人を好きになる人は稀でしょう。そこに気が付かないのがルーザー様だったのでは。マジック達の大事なものを壊し続け、それでも自分を好きにならない周囲に絶望したルーザー様は、ついに亡くなってしまいます。
ルーザー様の願いは死。自分の分身であるキンちゃんに「他人から愛される事」を見いだせなかったなら、もっと辛かったでしょう。大事な高松を痛めつけられて怒るキンちゃんの姿に、ルーザー様は安堵したのではと思います。やっと自分(=キンちゃん)が愛される姿を目に出来たから。
■歴史物が好きで、若い頃はあれこれ夢中になって読んでいました。最近あまり読みません。ホームズや谷崎、漱石は時代ものと言えそうですが、独自の味の方が濃いのかなと思います。
何故読まなくなったかと言うと、毎日見る報道と、「歴史物」と銘打った小説の内容に差を感じなくなったからです。古い時代にデジタル機器はありませんが、筆記、記録、伝達するスキルは一定量あったと思います。
黒執事でセバスが「人間は変わらない」と言いますが、本当にそうだったのだなと思いました。残虐性、愚かさ、理解しがたさ、犯人と被害者サイドの意志疎通の困難さ等、本当に古代から変わらないのかもしれません。そういえば、始皇帝が「法治国家」を目指したのはほんの2,000年と数百年前です。
三国志でよく、「身近な女性が大事件に関わり、大失敗をした男」の話があります。それを若い頃は、男尊女卑だ、女性が大事件に参加して何が悪いと思いました。
しかし、「女性が事件に関わる事」の非難されるべき点は、公人である夫達の色々な「決定」に、私人である奥方や側室が物申し、それが通る事のおかしさにあるというなら、成程と思いました。婦人達も政治家であると言うならいいんですが、ほとんどの場合違うでしょう。
中国の歴史物にはまった時、何回か出てきた言葉に「家中を治められないなら、国家も治められない」というのがあった気がします。嘘でなかったのだなと思いました。 |
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