 いずれ考えねばならないと思っていました。
・男子向け漫画には、下ネタが多い傾向があると思う。昔のジャンプでは笑いを取るためなのか始終あったし、コロコロや大昔のボンボンは、下ネタや身体的描写が必須なのかと聞きたいくらいあふれていたと思う。
近年の事は分からないけれど、南国&PAPUWAはレトロな方の作品なので、考察上構わないと思う。
・少女向け漫画に、下ネタとか聞いた事がない。成人女性向けというとまた違うけれど、いわゆる少女漫画は大体清楚だと思う。少女が「自分や同性の他人の体」をネタにして笑うというのは、相当悪質なイジメの現場くらいではないかと思う。
それ程少女ないし女性の体とは慎重に扱うべきものであるが、男子の体の扱いの何と雑な事か。否、雑なのではなく、男尊女卑のはしりなのではないかと思う。
男子はどんなに幼くとも、いずれ「男」として社会に君臨する性を持つ自身を認識しており、下ネタとは自分が男子である自己認識の手段に過ぎず、イジメである場合を除けばむしろ誇らしげとまで言える。
南国&PAPUWAの原作者は、「女嫌い」で有名である。自身は女性ではないかという気がするが、下ネタを愛好する事で、自身はその辺の女ではないという催眠的な気分だったのだろうかと思う。南国&PAPUWAの原作者の傾向は、一見男性作家の様であって、しかし全く異なるものだと思う。
せっかち伯爵と時間泥棒を読んでいます。久米田先生の漫画で初めて読んだのは絶望先生でした。女子生徒が可愛かったです。
せっかち伯爵〜の方は、下ネタが多くて連載が撃ちきりになったと聞いていたくらいで、本誌の方は絶望先生の時ほど追っていませんでした。伯爵のデザインが気になっていたので、今回読んでみました。
かくしごとの方で、「話と絵があってない」とありましたが、伯爵の方はまさしくそんな感じです。膨大な下半身ネタはいつもの事としても、本当はかなり暗いネタが主である事を隠すために、明るい春画の様な感じで下ネタをぶち込んでくるので、かえって悲しくなります。
(鴎外の小説に、年頃の娘さんが春画を見ている場面があったが。当時は「子宝のお守り」的な意味合いで、街中で大量に販売していたらしい。)
伯爵の底辺ぶりがよかったです。次元が違うのだ、を絶望したの様に定着させたかったのかなと思いました。せっかち伯爵〜は打ち切りと聞きますが、感覚的に6巻出ていて打ち切りと言っても実感がわきません。
絶望の時も、後半で頻繁に「畳む」発言があり、形式美的にまでなっていたので、伯爵の方もいつものドタバタの様に見えました。伯爵兄妹の寿命が一年、掲載も一年であった事は単なる偶然だったのでしょうか。 |
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