2月4日 ■若い頃に読んだ小説の、ヒーロー、ヒロインなら他界している年齢になりました。土方歳三なら函館で亡くなり、藤壺なら出家した後他界しています。昔の事だからと自分を慰めようにも、同級生の女性達は「子供の受験」に奔走しているこの冬、自分が相当「遅れている」と言う自覚ばかり濃くなります。私が就職直後の死闘の真っただ中、彼女達は華燭の典だったようです。
■漱石の理想の女が、最終的に延だったとして。理想の男も津田であるとして、漱石が言っていたお金への気持ちに通じる所があります。お金が欲しいと是公に漱石が言い、是公がいくらでも用意してやると言った時。漱石は、そういうあつらえたお金ではなく、先祖代々の資産とかそういうのが欲しいと言ったそうです。お金はお金だろと思いますが、津田の、あくまで全てに対して受け身の姿勢である部分と似ていると思いました。
金持ちの岡本から嫁に来た延は、まさしく漱石の理想の女なのかもしれません。美人で明るく、聡明な延には不幸になって欲しくないなと思いました。吉川夫人や秀が、皆で延をいじめますが、津田が周囲の女性を大事にしないから、女性達の津田への怒りが、彼の妻である延に行くのでしょう。延が自分の結婚を悔い、秀達に愚痴を言う様になるまでは、明暗は収まりそうにありません。
■魔法使いの嫁について考えていました。一気読み出来たので、コミックス刊行を待つ間に記憶や印象がぶれる事は少なく出来たと思います。冒頭の、エリアスの家の周辺を中心にした、ほっこりしたファンタジー部分が好きでした。しかしチセが日本の女子高生だった事を思うと、英国と言えども普通に現代です。
ファンタジー漫画なのか、チセと言う一人の女子高生の漫画なのか、タイトルの通りエリアスとチセの結婚話なのか、よく分かりません。ファンタジー漫画にしては魔法魔法した世界ではないし、チセと言う女の子の話なら、登場人物が多すぎます。エリアスがお嫁さんを貰う話なら、エリアスの内面の話がもっと読みたいです。
女の子が魔法を覚える話なら、割と前例のある内容です。しかしこの漫画の主人公はチセ、そしてエリアスだというのなら、もう少しエリアスに優しくしてほしいと思いました。人外だから嫌な目に合うのは、劇中だけにして欲しいです。大金を払って招いたチセに殴られ、作者にまでその他大勢扱いされるエリアスがなんとも。 |
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