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...... 2018年05月30日 の日記 ......
■ 漱石の頃   [ NO. 2018053001-1 ]

■細雪では身分差が時々話題になります。劇中で最初の見合いの男性は「雪子と自分は身分が違う」と繰り返し言います。妙子についても、甲斐性なしの奥畑はOKで、田舎生まれで庶民の板倉はアウトだと、幸子達姉妹は断言します。

幸子達は何なのだと思いますが、旧家の娘だそうです。「船場」のすごさが北関東在住の自分にはよく分かりませんが、劇中の彼女達のすごさはその金遣いの荒さにかかっていると思います。



特にすさまじいのは下巻の妙子の浪費です。当時の普通のサラリーマンの年収くらいの値段の服を買っています。買っているのは主に奥畑ですが、妙子の中では「自分はこれくらい高額な服を着て当然」という、没落した家の末子であるプライドがあったのだろうと思います。

父親が真面目で長生きして、雪子が早く結婚していれば、確かに妙子も幸子の様な豪奢な奥様暮らしが出来たでしょう。日舞や洋裁で、何とか身を立てようと頑張っていた中巻の妙子が好きです。もう少し妙子の身の上はどうにかならなかったのでしょうか。



■漱石の頃と言うか、細雪の頃の話です。ある程度の暮らしの家には、女中さんがいました。猫のおさん、行人のお貞さん、明暗のお金、お時、彼岸過迄の作、他、特に書いていませんが、虞美人草の井上先生の家にも女中さんと言うか、下女がいます。

劇中で貧乏だ貧乏だという、井上先生の家、苦沙味先生の家にも、使用人がいます。明暗でも貧乏だ、金がないと言う小林にしても、「妹を女中に出してしまった」と嘆くあたり、彼自身の思う「自分」は「女中を雇う方の階級」だった訳です。

何が言いたいのかと言うと。



家事は奥さんがやるもの、育児も奥さんがやるもの、夫の相手も奥さんがやるもの、親戚づきあいも奥さんの仕事、とされたのは実に近年の事だという事です。ここまで近年の専業主婦に圧迫、ないし女に重圧がかかる日本はどこまでもおかしいです。

女は20歳そこそこで結婚して、3人以上生めと言う男は。是非、明治大正の頃の様に、家に使用人を雇えと言いたいです。昔は家庭内も分業であって、家電製品のあるなしは大した問題ではなく、家事・育児・セックス・接客等、女性達は大勢で分業していました。

だから昔の女性は、鏡子さんの様に10人近く生めたんじゃないかと思うのですが、どうでしょう。家事らしい家事をあまりしない細雪の幸子が特別なのかもしれませんが、貞之助くらい女達を大事にする男がいいです。大体、電化製品があるとかなんとか言っても、結局使うのは女性じゃないですが。
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