madeingermany

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...... 2019年02月01日 の日記 ......
■ 実験   [ NO. 2019020101-1 ]

■国鉄時代の急行についての本を読んでいます。特急つばめの偉大さは有名ですが、急行と言うとピンと来なかったのですが、読んでいるうちに感動してきました。

新幹線以前の鉄道の極致と言うか、小さかった私が夢見た「鉄」はこんな感じだったのかもしれません。乗るだけで、日本中の素敵な場所に行ける、素敵な乗り物。いつか「父になんかいちいち断らず、切符を買ってもらわず、許可をこわないで」乗るのだと、小さい自分は路線を走る鉄達に誓っていた気がします。

大人になったら、こんな素晴らしいものと対等に、誰の許可もこわないで、自由に愛し合いたいと思っていた気がします。もう国鉄も急行もだいたいの特急も「ない」のですが、彼等のエッセンスなら津々浦々に感ぜられます。


■先だって大阪に行った時。たまたま新幹線に乗った東京駅のホームが、18・19番線でした。空いているだろうと思って一号車の停車位置まで行ったら、十河氏のレリーフがあったので、手を合わせて来ました。

昔も東京駅のこのホームで十河氏のレリーフを見ているのですが、あまり意識しなかった様です。「新幹線を走らせた男」と言う本を読んでからは、とても重要な人なのだと知りました。十河氏が見送るのはあくまで東海道新幹線ですが、まるで乗車する私の事まで見送ってくれているような、安堵を抱いて乗り込みました。



■有名な心理学の実験に。学生のグループを二つに分け、看守と囚人の役目を与えて行動させたら、「権力」を握った看守役の学生が暴走した、というのがあります。

実験の信ぴょう性などは分かりませんが、立場や、偶然与えられてしまった権力などに、人が大きく左右される事はままあるようです。



自分も初めてバイトに出て。レジの前に立ったとき、別人になった様な気がしました。たかがレジ打ちのバイトなのですが、なんでこんな大金自分は目の前にしているんだろうと、途方にくれました。

でもこのお金を死守するのが自分の仕事で。お買い物に来た人からお金を受け取って、オツリを渡して・・・・と一応頑張れたと思います。小さな役目でしたが、立場とか「権力」ってあるんだなと思います。



今のレジは自動でオツリが出て来るようなので、自分の様なアナログなバイトは無さそうですが。親子と言う仕事も、たまたまある人が私の父親で、たまたま私はその人の長女だったのだとしか言いようがありません。

看守と囚人の如く、天から与えたられたその立場を順守していたらその気になった、と言うだけなんだろうなと思います。いつまにか「あなた方は看守と囚人だよ」と言う人もいなくなり、実験は終わったのだろうと思います。

さぞ、看守役をしていた父は楽しかっただろうと思います。本来、自分で得た能力でも立場でもなし、ただ娘と言う囚人が持て、何十年か看守でいられたのだから、爽快だったでしょう。

父は元来いじめっ子だったそうです。本人が言うのだからそうなのでしょう、クラスの大人しい子の机を壊してやったとか、小さい私に得意気によく話していました。彼は生来の看守だったのかもしれません。

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