madeingermany

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...... 2019年02月21日 の日記 ......
■ 女中   [ NO. 2019022101-1 ]

■高松が自分の容姿を左程自負していなそうなのは、彼を救ったのかもしれないと勝手に思っています。優秀で体力・頭脳に秀で、仕事も出来る上に「美しく生まれた事に自負」では、マジックのタイプではなさそうです。

(アラシヤマの場合は、性格に若干の偏りが見られるので、普通の意味では「脅威」ではない気がする。高松も、癖のある性格とはいえ、明らかに「顔」が採用の絶対条件の一つであるガンマ団においては、その「癖」で乗り切るしかなかったのかもしれない。)



■そのうち同人誌即売会へのサークル参加のために、上京するのですが。蒲田駅構内の、コッペパンを買おうと今から思っています。一個300〜400円くらいです。「パン」とすると安くない値段です。しかしグンマの田舎でコメダに出会う事は稀で、いつか買って食べようと念じていました。



■戦後間もないくらいの小説には、女中さんが出て来ます。マンガの方のサザエさんも、お金持ちの家に女中に出かけていたくらいなので、女性のメジャーな仕事だった様です。

(サザエの場合、話題作りのための家事のパートタイムと思われる。既婚の彼女が「花嫁修業」のはずはない。波平もマスオも高給取りだし。)

男性が見る「女中さん」は、谷崎の台所太平記の様に、自分の娘の様に可愛がりながら、彼女達の入浴シーンや、寝姿を見るという満足もある感じがします。荷風が風邪で臥せっていた女中を、性的な目で見ると言う日記を書いています。



そんな夢いっぱいの「女中さん」ですが。女性、特に主婦から見ると天敵の様だったのかもしれません。漱石の義母の女中嫌いはすさまじく。一銭たりとも余計な出費は許さないと言う、鬼の様な監視ぶりだったそうです。

それを受けて、男の漱石も、家の女中さんに辛くあたったとか何だとか。

今読んでいる、由紀しげ子の作品でも、主婦から見た女中さんはペット以下の存在です。「家のものを盗むかもしれない」「家の事に口出しをされるのは不愉快」等、便利に少女をこき使う分、虐待もいい所だった様です。(今の時代でも、介護のヘルパーさんに対し「他人が家に入った」と不愉快がるご老女はおられる ヘルパーさんは女中さんではない)



由紀女史は結構男性的にロマンチックなのか、「女中でもお嬢さんには違いないのだから、気高く振る舞え」「本気で怒れない人は嫌い」と言っています。

数十年前に読んでいたら、もっと共感し、感動したかもしれません。しかし金も実家もない孤独な少女が、「お金持ちの奥様」をどれくらい憎んでいるかと思うと、なんて夢想的な作家さんだろうと思いました。

体罰を加える鬼コーチの言、しつけと称してあれやこれをする男親の様な。男が成人してもロマンチックでいられるのは、周囲の女性の陰日向無いサポートのお蔭だとするなら。女性のロマンチシズムは、恐らく20歳前後で霧散するのが妥当なのかなと思います。

女中さんが奥様に、「本気で怒る」とかマジムリでしょう。小説を読んでいて、書いている人が女性なのに、「言いたい事があるなら言えと、マジギレしながら叫ぶ男性上司みたい」とちょっと思いました。そういう人は男女問わずロマンチックなのかもしれません。

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