■椎名先生の初期短編を読んでいます。もし何10冊とある絶チルを読むにしても、一度は読みたかった短編集でした。30年くらい前のコミックスです。青山先生がヤイバを描かれていた頃ですが、数年後に始まったコナンが現在も連載中である事に、驚きを隠せません。
■絶望先生に、加賀愛といキャラがいて可愛かったです。話のネタが「被害妄想」だった時、先生が「加害妄想」と言い出してからの出番だった気がします。以下妄想と雑感です。
・加害者の「被害妄想」と、被害者の「加害妄想」はどうにかならないだろうかと思う。
前者は、「会社でストレスを与えられたから、駅で痴漢した」という言い訳も甚だしいやつ。「子供が泣いてうるさいから、(略)してやった」とか。何で痴漢だの虐待だのがはびこるのかというと、加害者の「被害妄想」なのかもしれない。
後者は更に複雑で。余りにクラスメイトからひどいいじめをうけていると、「アタシがいるからこのクラスは地獄なのだ」と、思考の乱れが出て来る事がある。
親の気まぐれでボコボコにされているだけなのに、「こんなにお父さんが怒っているのは、アタシが悪い子だからだ」とか、どんどん負の方向に思考が流れていくあれ。仕舞には「アンタのためにわざわざアタシは怒ってやってんのよ」くらいに言われ、被害者は思考もへったくれもなくなる。
反省すべき人間が、裁判で控訴したり。死ななくていい人が、ビルから飛び降りてしまう。
・多分どうにもならないと思う。南国で言うと。
アラシヤマは、本人が望んでもいなかった生来の発火体質と、これまた生まれながらの人間関係上の不器用さ故に、士官学校時代から散々な目にあっている。本人は、「ひどいめに遭わされた」と思っている向きがあるが、入学初日に大やけどを負っただろう学生たちはたまったものではない。
アラシヤマの「訴状」に、多分トットリは冷淡だろうと思う。トットリ以外のキャラもそうかもしれないが、入学初日で、ベストフレンドを得てしまうような少年に、アラシヤマの苦労は生涯分からないと思う。
アラシヤマの苦労に、トットリがそんなに関心がないのと同じくらい、アラシヤマはトットリに容赦ないと言えば容赦ない。友人がいない苦痛を、任務や実力でカバーしようとしているアラシヤマにとって、トットリはなぎ倒す対象でしかない。
多分トットリは忍者であるがゆえに、任務は遂行して当たり前であり、「友人が出来ない」とか「世界が欲しい」とかブツブツいうアラシヤマの事がうっとうしいと思う。友人がいないのはアラシヤマ自身の短所のせいであり、世界だのガンマ団ナンバーワンになるだのは、トットリには(ミヤギが絡まなければ)実にどうでもいい事だろうと思う。
アラシヤマにとって、トットリ達は自分への加害者に見えるだろうし。トットリはトットリで、アラシヤマは因縁をつけて来る赤の他人なのかもしれない。意思の疎通がないというより、意思の疎通と言う概念が発生していない。 |
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