■漱石と言えば英文学ですが。漱石の小説は、例えばサッカレイやオースティンより、ロシアのドストエフスキーに近い気がします。小説の内容や表現というか、イギリスがまさしく大国だった事実と、ロシアの政情不安&日本のいびつな近代化という違いなのかなと思います。
ホームズもそうですが、イギリスの小説の人物達は、自分の国と女王陛下を信じきっている感じがします。漱石ったら、三四郎で「日本は滅びる」と言ってしまっています。それからでも、日本の暗い部分をこれでもかというくらい書いています。
漱石の小説の分かりにくさも、ドストエフスキーっぽいなと思います。読んで「分かりにくい」と思ってしまうのは自分の読解力の無さですが、例えば門の宗助とお米の事など、漱石は色々濁している気がします。
言葉通りで言うなら、宗助は友達の妹と結婚した訳ですが、新妻を妹として友達に紹介した安井もどうよと思います。そして、そんないびつな三角関係なら宗助と安井の間で隠ぺいできそうなものを、大学中退までの大騒ぎにしたのは誰だったのでしょう。
英国ものなら、もっとあっさりかつ前向きでハッピーエンドだろうと、漱石とドストエフスキーについて思います。白痴を、アグラーヤが公爵とあいびきする所まで読みました。公爵のボンヤリした所が白痴と言われる所以ですが、漱石の男達も、大体いつもそんな感じです。美禰子が一抜けたになる訳です。
■東成瀬村は、日本全国で市町村が合併を始めた時から今まで、独立していたそうです。小さい町程、合併しないと明日がないと言われていましたが、今は逆で。
かえって合併によって行政の機関等が減ってしまい、町はずれでは暮らしにくくなり、大きな市になったにも関わらず、人口が減っていくのだそうです。東成瀬村の選択は、正しかったのだろうと思います。
横手市から東成瀬村に向かって車で行くと、「仙人の郷」というフレーズが見えて来ます。群馬にも山奥の村や町は多いですが、ここまで吹っ切れたフレーズはないかもしれません。自然が一杯だよ、東京から近いよというのが、大体のグンマの町村の売りです。
東成瀬村は。秋田新幹線・山形新幹線、そして奥羽本線ともちょっと遠いです。特にそれを気にしていない様に見えるのに、勇ましさを感じました。グンマはとりあえず「東京から近いよ」と、外部の人へアピールする事に懸命です。
(本当にグンマと東京は実は近いのだけど。都心の人には、グンマは地球の裏側か月面にでもある様な扱いだったりする。東北の様な神秘的な扱いではなく、異星人的と言うか。悔しい
出会った人が悪かったのだと思うが、田舎者の癖に頑張って六本木に行った時、全力で出自をバカにされた事は忘れないと思う。) |
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