■ピアノの森の。パン・ウェイって、もう一人のカイみたいだなと思っています。
・阿字野先生が「師」であること ・実父が不明なこと 生まれが「悲惨」なこと ・ピアノが弾けなければ、奈落の人生だったこと ・従順じゃない性格 ・逆境から出てくるのが「得意」 ・超ド級のサクセスストーリーであること ・同じくらいピアノが上手いこと (ピアノで激流だのドラゴンだの出せるのは、パンかカイくらいだろう)
明るくキレイな主人公であるカイにはできない描写が、パンでは縦横無尽だった気がします。修平につっけんどんだったり、でも無視しない匙加減とか、主人公のカイにはさせられない絵だなと思いました。
なんでいきなりのパンのスクープなんだろと思いましたが。カイの「森の端の娼婦の息子」なあたりを、バンとワルシャワでお披露目してしまうのは、難しいだろうから、パンが代わりだったのかもしれません。
■アンシリーズを読んでいます。シリーズ5冊目、アンの幸福です。ここまで読むと、初期で?と思った点が、大体飲み込めてきた気がします。派生や、同じ作者の作品を入れるとまだ先は長いです。
ところで。
やはりと思いましたが、お上品でもなく、優しくもなく、愛のかけらもない「描写」のほうが生き生きしている気がします。「どうしようもないモラハラ夫、モラハラ父に、死ぬほど苦しい目に遭わせられる女性達」みたいな描写のほうが、グイグイ読めます。
アンシリーズといえば。美しいカナダの自然、個性的でも楽しい人達との、愛にあふれた交流・・・で間違いないと思いますが、情け容赦ないところは情け容赦ないです。
アンは孤児育ち、マリラとマシューは生涯独身でしたが、「家庭こそ苦痛の源」「男は女を不幸にする」という自分の考えは、なんとなく間違ってもいないなあと思います。(自分がそう思うだけで、そうでない人もいっぱいいることは、わかっているつもり)
血がつながっていてもいなくても、付き合うと苦痛しかない人はいます。アンはその事実を悲しんでいるようですが、お互いを憎みあっている家族はいます。ヒロインのアンには変にひねたところは少ないですが、あえて作者が創作時にカットしているんじゃないかと思う点も多いです。
そういう、余りものみたいな怨念が、アンやギルバート他主要キャラ以外に、ボロボロとにじみ出ている気がします。そうでないなら、「あたし未亡人になりたい 独人女性は皆からバカにされるし、夫がいれば殴られるから」と主張する少女なんて、サラッと出さないのでは。 -----------------------------7e427f28706d8 Content-Disposition: form-data; name="image"
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