■ピアノの森というと。大体のキャラは、ちょっとずつ阿字野かカイに人生を左右されています。主人公達が波乱を起こすのは物語の定番ですが、阿字野とカイは主にピアノを弾いているだけというのがすごいと思います。(ファンタジーではないので、戦うとか、魔法とかではない意味で)
パンのように、本人がハイテンションで阿字野先生のエレメンツを栄養にしているのならいいのですが。妙なことになっているのは、修平の家だなと思いました。以下雑感です。勘違いも多いと思います すみません
・ママが音大卒。現在主婦。夫と息子のフォローに生きがいを感じる女性 実際洋一郎の後援会の事務などを思うと、彼女は意外と忙しいかもしれない。
・パパも音大卒 プロのピアニスト 日本一とか、癒しのピアノとか言われ高名 何がそうさせるのか本人しかわからないだろうが、とかく阿字野とカイを敵視する
ママが阿字野先生キャーッな感じなのは、流れかなと思いますし、高名で成功しそうなピアニストというだけで、ワルシャワの日本人女学生たちが目の色を変えています。ママも昔、阿字野先生にウットリしていたのでしょう。
ママが猛烈な阿字野ファンなのは、パパ、洋一郎さんもよく知っているはずです。パパとママが多分音大で出会った時、阿字野もスターになる階段をまさに駆け上っていたはずです。
パパとママの恋人時代=若い阿字野の絶頂期です。ママはいいでしょうが、「自分の女」が別の男に目の色を変えているのをじっと見ているしかないって、結構苦痛だったろうと思います。阿字野も音大生、自分も音大生なのに、とパパは悔しかったでしょうか。
阿字野先生がプロデビュー、婚約、交通事故と人生のストームの中にいるのを、ママは熱い目でじっと見て。パパはそんな奈美恵さんをただ見ていたのでしょう。なんで彼女は自分ではなく、阿字野を愛し、阿字野を慕い、阿字野に夢見て、阿字野に泣くのだろうと。
阿字野はスターでアイドルなのだから、と洋一郎さんは思おうとしたと思います。彼女を愛し、彼女と結ばれて、家庭を築くのは自分なのだからと。でも仮に奈美恵さんを阿字野が見初めれば、彼女は阿字野に決めたでしょう。そういうことです。
阿字野へのべたついた嫉妬心は、無事マルっと修平に受け継がれました。普通の友達になれるはずのカイに対し、修平はいらないコンプレックスを持ち続けました。「こいつがいるから自分は幸せじゃない」と。それ、パパの女を「取られた」怨念で、修平個人の思いではないと思います。もう少し修平は素直な子じゃないかなと思いました。
奈美恵さんのピアノへの関心も、結局は阿字野へつながっていて、洋一郎さんがいなくても、彼女は意外と平気で生きている気がしました。彼女と洋一郎さんを結ぶだった一つの形、修平という子供が「打倒阿字野」の武器にされていることを、彼女はワルシャワでやっと気が付いたのかもしれません。
彼女は洋一郎さんのピアニストとしてのライバル心の現れと考えたいでしょうが、発端は彼女が旦那より阿字野先生のほうにロマンスを感じることかなと思います。やめられないでしょうが。 |
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