madeingermany

■ クラリス 　　[ NO. 2020051101-1 ]

■カリ城を見ました。以下雑感です。今度こそ本当に、見当違いな感想を抱いている気がして怖いです。カリ城自体、パート２以降のルパンの方向性を決定したような作品なので、存在自体が爆弾的です。微笑の爆弾。 ・なんというか　「清く優しいルパン」路線は、一期からあった。一期冒頭の、残忍なルパン像が「受けなかった」ので、柔らかいルパンに急遽チェンジしたというのは有名な話 その「柔らかいルパン」「清く優しいルパン」「草むらで婦女子をレイプなんて絶対しなそうなルパン」を作り出したのが、トトロや魔女宅で有名な宮崎監督達 時系列的に、クラリス〜ナウシカ〜トトロなのだけど、もうこうなると、カリ城はルパンがテーマなのか、クラリスがテーマなのかよくわからなくなる カリ城を見ていると、ルパンの話ではなく、クラリスの話なんじゃいかなと思う。「ルパンの話」というのは永遠に来ない　パート５くらいラディカルなつくりにならないと、テレスぺを何回作ってもルパン個人の事は永遠に不明だと思う カリ城の怖いところは。 「自分の知っているカッコつけルパン」と、「汚くずるい中年男のルパン」と、選ばせにかかってくるところだと思う。 「寝るし食うし、女の子に喜ぶし、立小便もする次元」と、「やたらカッコつけの、ロマンチストを少し通り越してナルシスト気味の次元」を選べと言う、過酷さを感じる ルパンなんだから、なんだってありじゃないという気楽さを、カリ城はクラリスのまなざし一つで、マグマの様に押し流していく　まるで王蟲の群れを体一つで止めたナウシカの様に、クラリスは汚いおっさん達を次元様、おじ様、と呼び漂白してしまう カリ城って、クラリスの存在は絶対でも、別にルパンファミリーでなくてもよかったんじゃないと思う。城を縦横無尽に駆け巡る男はルパンでなくてもいいし、対戦車砲を撃つ男は次元でなくていい　不二子にいたっては、よく言えば一期風と言えるし、そうでないなら不二子でなくてもよかったんじゃと思う あとクラリスは 贋金作りを多分父母もしていたわけで、スキャンダルまみれの４０００人くらいの小国を、これからどうするんだろうと思う　不二子と銭形で、公国を潰しにかかったとも言える　贋金つくりはクラリスの罪ではないけど、伯爵が死んだあと、公国を支えるのはクラリスだろうし ナウシカは谷に帰らなかったけど、クラリスは国にいる。ナウシカは、ジルの様に「跡継ぎを作る」「谷を守る」事をしないとしても、クラリスには４０００人の命が双肩にかかっている　国に残るべきだったし、おじ様も次元様ももう二度と公国に来てはならない　クラリスの不名誉になる ルパン‐伯爵　　　ロリコン同士　 ルパン‐クラリス　自由になりたいもの同士 伯爵‐クラリス　　汚れた公国の当事者同士 と、反対のものを話の中でぶつけるのは鮮やかだけど、いわゆるハッピーエンドにはならないし、それぞれが似ているが故に近づき、つぶし合う悲しさ　カリ城は悲しい

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