■アンシリーズの最終巻を読みました。WW1、WW2がテーマになっている部分もあります。アンの娘リラもWW1を扱っていました。リラでは、「勇敢」「国民の義務」等の言葉が飛び交っていましたが、最終巻になるとそんな勇ましさも減ります。
アンがひたすら落ち込んでいたり。アンの孫も戦争に行かねばならない事をほのめかしたりと、暗い空気が最終巻に漂います。だからモンゴメリが亡くなったあと、なかなか刊行されなかったのかなと思います。
アンシリーズで舞台等になった、カナダ、アメリカ、イギリス等ヨーロッパ諸国は戦勝国です。「戦争って悲しい、なるべくなら起こらないで 早く終わって」とは戦中戦後も言いにくかったのかもしれません。
アン一家以外の女性達も、ことごとく不幸を味わっています。アン自身も、孤児で〜と不幸を背負っていますが、アンは英米文学の明るさを受けてか、モンゴメリが若かったせいか、アンに暗さは少ないです。
小説として、不幸なヒロイン→素敵な男性と出会って愛も金も地位も名誉も、家庭も子供も得る!!方がおさまりがいいのは分かります。アンはそんな人生です。最初の娘は亡くなってしまいますが、基本的に大家族です。
アンの親友だったダイアナや、個性的だったアンの女友達が後期の小説に出てこないのは。出てくればどうしても幸せに書かねばならないし、「お姑にいびられて体調を崩し・・・」とは書けないでしょう。実際のモンゴメリの人生とアンは別物ですが、短編集に出てくる絵にかいたような薄幸の女性達の方に真実味を覚えます。
・不美人 ・親の地位が高くない ・孤児 ・働いている(上流階級の女性は労働も家事もしない) ・男にもてない ・根暗 ・貧乏 ・年を取っている ・性格がすねている
これでもかと言うくらい、女性の登場人物たちの「欠点」を書き尽くすモンゴメリが恐ろしいです。
アンが赤毛とそばかすを気にしながらも、鼻の形と痩身を誇るように。どの女性達も身体的な短所をガンガン書かれます。「老けている」ところまでカウントしたら、アンだってモンゴメリ的には最終的にはセーフじゃないでしょう。
身体的不美人=全人格を否定、まで突っ走るのがモンゴメリじゃないかと思います アンが赤毛についてこだわったのは、赤毛についてのジンクスもあるらしいので |
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