■イニD雑感です。アニメはこれから見ます。
拓海の性格、もっと荒々しいと思っていました。冒頭の方はややバイオレンスなので、自分の印象は間違いではないと思います。
ハンドルを握ると変わると言っても、普通に優しいドライブも十分できます。(本当にひどい男はドヘタなのに認めず、遭難している船の様に吐きそうになる事もある)真子さんの感じともまた違うフラットさなのかなと。
不愉快な先輩を殴るくらいだった性格は、啓介にかぶるから封印がちなのかな思いきや。別にその後、無茶苦茶腹の立つ相手もそんなにいなかったという事なのか、ちゃんと涼介達がフォローしていたからなのか。
車についても、よくある「自己投影の大暴走」ではなく、ハチロクが一人の人間である様にさえ思います。涼介達がハチロクの性能を上げていくのに対し、拓海はハチロクを「乗りこなす」のではなく、「一緒に走っている」んじゃないかなと思いました。
イニDのキャラはみんなそう思っているのかもしれませんが。車って人格があるような気がしてなりません。戦車の路線や車両も、多分生きています。友人であり家族であり、同伴者なんだなと。
(拓海は今後自分の車を買うまで、インプレッサらしいが。ハチロクも文太由来、インプも文太が購入したと思うと、そりゃ拓海の家族だよなと思う。それはそうと、涼介は文太をスカウトすべき ないけどすべき 文太の豆腐食べたい)
■谷崎の少将滋幹の母を読み終えました。
昔読んで記憶に残らなかったのは、ヒロインらしい滋幹の母が一切セリフや動作的なものがないからだったんだろうなと思いました。
老いた夫との濡れ場でも、彼女はちょっとしゃべるか、黙って夫に撫でられているだけです。時平の家での様子もほとんど分からないまま、次の子を産んでいます。
細雪の雪子の原型かと思いましたが、細雪の方が先に書かれていました。
順番で言うと、源氏現代語訳(銀座線が出来た頃)〜細雪(戦時中)〜滋幹の母(戦後)、くらいの様です。谷崎を読んでいると、本当に戦争があったのかとおもうくらいです。
これだけみっちりネタを追及してるし、博学多才なのも、文章が美しいのもよく分かるのですが。
読めども読めども谷崎っと思うのは、谷崎を読んでいるから当たり前なのですが。なんか好きなところです。老父が墓場をさまよっていても、貴族が人妻を誘拐しても、子供が母を求めて山の中に入っても、好色な男が死んでしまっても、ああ谷崎だなと思います。
そして女性崇拝といいながら。女性達の肝心な心の中や、動作はあんまり書かないよなと思います。書いてあることはあっても、地の文やシチュエーションの濃さの方が強かったり。細雪が、例外的なくらい清潔で安定した作品なんだなと思います。作家からの解説や挿入的な成分も少ない方だし。 |
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