■ふと
細雪って、妙子の奔放さが問題視されることが多いですが、雪子の異性へのこだわりも相当だよなと思います。
・初婚である事(当時の事なのでやや難しい) ・二番目でも、もし子供がいるなら愛らしい女児がいい
・金持ちしか嫌だ そして関西の繁華な所に住まないとだめだ。地方都市ないし都内お断り
・どうせ男の方が先に死ぬから、相応の資産を残して死んでほしい
・自分は男の稼ぎを助ける事は一個もしたくないけど。ちなみに資産は一代で築いた等ではなく、代々名家だったとかいう由緒ある金でないとノー 庶民はノー サラリーマンキライ
・男には知性が必要 ズバリ学歴
・会話もエッセンス豊富で、瀟洒でないと許さない
・年より老けて見える男はNG
・若い美人である私を愛さないといけないが、かといってベタベタされるのは同じくらいイヤ
・お見合いは複数回しないと許さない
・よく知らない男と二人きりで心斎橋なんか死んでも行かない
まるで谷崎本人が提示しそうな条件の数々です。妙子は、頑張り屋で、自分を愛してくれて健康な男がいい、と貞之助もうなづくリアル志向です。
モデルになった重子さんが本当にこんな事を条件に挙げていたのかは分かりませんが、妻の妹の結婚生活に、谷崎が信じられないくらい口出ししていたのは本当の様です。
嘘だろと思いますが、当時、谷崎の文筆の「稼ぎ」を思うと、重子さんも姉夫妻を頼って生きる方が得・・・とも言えたのかもしれません。それにしても、ここまでキャッホーな条件の数々を思うと、逆に楽しくなります。
サラリーマンキライ、と言い切るあたりの思考回路が逆に好きかもしれません。(関西には事業主タイプが多いのか ちなみに県庁勤務とかも幸子達にはまずNG すげえ) |
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