■ウッカリ読むもんじゃない小説、谷崎の鍵を読みました。数時間で読める分量ですが、あの谷崎が老境において性を扱うと言う、いつもの驀進をかましているので壮絶です。
恐ろしいのは、敏子・木村・郁子の三角関係が今後あるらしいと言う事です。木村と郁子(敏子の母)はガッツリ肉体関係があります。敏子は、親孝行として?木村と結婚し、木村は敏子も郁子も味わうというこの世の地獄が待っています。
木村はもちろん、敏子さんが言うから〜というだろうし、敏子は「二人のため」と言うだろうし、郁子も何やかやで十分受け入れるのでしょう。
そこまでしないと燃えないのが谷崎なのか。
敏子はとてもじゃないですが、誰かの「娘」とは思えない書きぶりです。両親に陰険と言われ、旺盛な母には貞操?を疑われ、父には多分憎まれています。谷崎は面白い小説を書きますが、多分細雪以外の「家族」観は崩壊も崩壊かなと思います(誉め言葉)。
■確か康成の波千鳥だったと思うんですが。
疲れ切った大人が、純粋な少年や少女に、性、結婚という形で近づいて、自分は心癒され、サッパリとキレイになった気分でいて。でも、癒しの道具にされた少年、少女は、新たなる「ゴミ掃除」してくれる相手を求める、イヤな大人になる・・・というのがあった気がします。
康成なので、救いはありません。
あれだけ騒がれた雪国も、文章は美しいけれど、最後は二人の女性の破綻のみです。
イニDも、癒されない20代のお兄さん達(茨城の40代含む)を順々に撃破し、同時に拓海は愛されもするし、尊敬もされて行きます。
壮絶な波千鳥だなと
出会った傷ついている人達をヒーリングして回るというと、アニメのセーラームーンの様ですが。拓海ちゃんの心の資源はどうなるんだろうなと思います。
拓海は別に相手を癒すつもりはなく、いつも全力で走ってくれるだけだと思うんですが。涼介も京一も、他の走り屋の人達も、明らかに拓海とのバトル後はスッキリしています。
(啓介のバトル後は?と思う。啓介って人の好き嫌いが激しそうなので、ウッカリ近づくと多分悲しい目に遭うような気がしてならない。パーなコギャルってなんやねんと思う。多分、アタシとFDとどっちが好き〜とか聞いちゃったんだろうか) |
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