madeingermany

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...... 2022年11月20日 の日記 ......
■ 細雪上巻   [ NO. 2022112001-1 ]

■細雪上巻を読み終えました。多分、年一回くらいで読んでいるんじゃないかなと思います。定期的に「切れる」時期が来るのかなと思います。以下雑感です。

谷崎って、貧乏と病気と老化が死ぬほど嫌いだったんだろうなと思います。美味い物食って綺麗な服着て、若いまま美人と暮らしたいって、正直でいいなと。



・上巻を読まないと、中・下へつながらないのだけど、上巻はそんなに波乱がない

これが蒔岡家というドドンとした感じの描写で延々続く、でも本当に面白くなるのは、中・下の蒔岡家崩壊時なので、上巻はこんなに長いのにプロローグだったりする。



蒔岡家最大のピンチってなんだったんだろうと思う。父親の死、家業の廃止等、実は上中下に書かれていないんだと思う。

本当のピンチは、多分下巻以降。戦争がひどくなり、今まで何とか保っていた優雅な暮らしが終わる時。が、谷崎の事例を思うと、絵にかいたような破綻は避けるし、荷風が来ても追い払うしで、実にタフ。



蒔岡家最大のピンチって

劇中と現実がごっちゃになってしまうけど、谷崎が「幸子一家」に飽きた時だと思う。谷崎はその後、もっと若くてキレイな、美女がいくらでも周囲にあふれかえっていて、実に絢爛豪華。ピチピチギャルな才女ばっかり。

雪子のモデルだった女性も、やはりお酒を好んでいて、肝臓を悪くして亡くなったらしい。ストレスフルだったろう。




・上は妙子の描写が控えめ

・本当は妙子のガッツで、雪子の縁談がまとまり、細雪がハッピーエンドの予定だったんだろうか。それにしては、「所詮お嬢さん仕事」「奥畑を利用していただけ」等、話が進むにつれて妙子の扱いがひどくなる



なら雪子の扱いはいいのかと言うと、最終的に鉄道内で下痢なのでそれもどうかと思う。

(当時の鉄道は、車両から便が線路上に垂れ流しになる。谷崎の時代は普通の光景だったと思うが、雪子でも垂れ流し。)

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