 ・うーん、人間の証明の、ジョニーを殺した恭子がまるで分からないなと。
そこは、墓まで持って行ってもいいんじゃないかなと。自分の保身も顧みず、ジョニーのために真実を明らかにした、だから彼女も立派に「人間」である、だから人間の証明って小説なんだそうですが。
恭子の夫はさておき
恭平もさておき
長女の陽子が完全にとばっちりじゃないかと
で、なんで陽子がとばっちりOKなのかというと多分
・劇中が濃厚な女性不信
・女嫌いのセックス好きな男が多い
・なんで少女だった陽子まで落ちる所まで落とされたかと言うと、彼女が女だからとしか言いようがない。メグレものでよく判事が言っていた「そもそも身持ちの悪い女なんだ」というコメント通り
・文枝の遺体を発見した少女にしても、彼女が強姦される理由は一つもない。彼女が同級生の男子と付き合わねばならない理由も一個もない。彼女がどっかのエリートと結婚するのは、彼女の判断なら致し方ない
徹底的な女性不信と男尊女卑、香織さんじゃないけど「現実的に」生きようとしただけの、弱い立場の女性を徹底的に男が正論で叩きのめす話
恭子がド派手に活躍してしまったのや、恭平・陽子をダシに生きていたりしたのは、まあまああることだろうと思う。今の、ネットに自分の家族の事丸出しにしている人みたいに
結局、米国からジョニーが来たのがおかしい気がしてきた。当たり屋しなければ金が出来ないって、ダメな気がする。金持ちのママが一円も送金しないあたりで、ジョニーは彼女を信じてはいけなかった
女性不信の女嫌い、セックスだけは大好きな男達なのに、「母親」だけには異様にこだわる不気味な小説だった。母が子にこだわるのなら、父も子にこだわれよと
(結構重要なキャラ、文枝の不倫相手も自分の不倫に酔い、自分の家族の扱いは実に不実。ジョニーの父も、もう恭子の事は忘れた方がよかったと思う 刑事の父も、息子がいるのだから米兵は無視した方がよかったのでは)
女嫌いだから、結婚した相手や築いてきた家族も徹底的にないがしろにする癖に。又は疑うなどして、関係を駄目にしていくのに。「母」にこだわる違和感。
一応、文枝の夫の愛情みたいなものは書いているつもりだったと思うけど、毎朝セックスしてから出勤とか、荷風の描くオッサンみたいだなと。(病気になるほど性交にふけるって、もう愛でも何でもないと思う)
(※女中さんを一日三回犯す、という一家の主の話があった。荷風なので大体バッドエンドだけど、荷風があの最期と家族と疎遠も疎遠だったことを思うと、まーなーとしか思えない だからいい) |
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