「黒執事」のアニメ1期を今見終わりました。漫画とは全く違う展開なので、別の黒執事を楽しめました。
シエルの復讐は、復讐を終えた後の事を考えなくていい所が特徴かと思います。ビクトリアを殺した後、英国は困らないか?復讐はそれ自体罪なのではないのか?という問いは、シエルの中にはありません。
シエルが復讐を躊躇したのは、例えば英国民のためではなくて、彼がパリの様な明るい世界に少しだけひかれたからです。復讐という、暗く出口のないものをちょっとだけ避けたからでしょう。
復讐を遂げたあと、復讐したものも時を同じくして他界するだろう事は、アニメや漫画のセオリーなのでしょうか。黒執事の場合、第2期もあるのでシエルは復活するみたいですが。
にしても。
自分もよく思い詰めるタチですが、思い詰めた先には、多くの場合、特に何もありません。思い詰める程大した事じゃなかったのかもしれません。
何かに思い詰めた時、そして次に気持ちから痛みがほぐれ、緊張がゆるんだ時、多分見回してそこにあるのは「世間」です。ただの。黒い燕尾服を着て、自分のためだけに笑う悪魔でもいないものでしょうか。
シエルを羨ましいと思います。彼には、耐えることを狂おしい程望んでくれる存在があったから。
平成23年5月10日 竹淵 拝 madeingermany |
|