madeingermany

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...... 2011年11月07日 の日記 ......
■ あの兄さん(美しき幻の夜の〜)   [ NO. 2011110701-1 ]
先日から、兄、兄と書き続けたので、あの兄の事を書いてみようかと思います。自分がサークル活動を始めたきっかけの作品、OVAジャイアントロボ〜地球が静止する日〜の幻夜です。

サークル活動を始めた当初、自分は幻夜よりかなり年下でした。「18歳で惨劇にあって、10年経った28歳の今(劇中では彼は28歳)、全然考えている事が変わっていないよ、おいおい」と思ったのですが、案外人間ってそうなのかなと思うようになりました。

10歳年下の妹の銀鈴の方が、はるかに大人じゃないかと言うのは公然の事実でしょうか。女の子の方が、心身共に早熟だとは言われますが、兄の幻夜のテコでも変わらない頑固さには、つける薬がありません(※けなしている訳じゃないけど、誉めるべき部分でもない。)



反省の色なし、申し開きの余地無し、弁解の余地無し、とりつく島もなし、という頑固で困った人でした。同じくらい困った策士が彼の上にいたせいなのか、本当に融通の利かない人でした。第一に人の話を聞きません。(そういう頑迷さを、策士に利用されていたんだろうな。)

ですがどうも制作者サイドから愛されていて、彼はやたら雄弁でやたら出番が多いです。ロボの感想等が語られる時には、いまいち影の薄い幻夜でしたが、公平に見ると劇中でスポットライトを異常なまでに浴びていました。「一途に父親の願いを叶える。例え父の考えや夢、理想をはき違えていたとしても。」という、がむしゃらさが幻夜の持ち味でした。

そんな幻夜なので、周囲を押しのけてまで行動する時もあれば、コロッとくじける時もあります。例えば戴宗や楊志なら「自分の戦う場所」を知っていて、少々の事ではあたふたしないのでしょうが、幻夜の場合、目の前で起きた事が「自分が思っていたのと違う」と、逆上するかもしれません。子供なのでしょう。



こんな取り扱いにくい幻夜と、銀鈴が死後寄り添って地球を見守っている様に描かれているのは、制作者サイドの夢なのかなと思います。銀鈴の、亡き父への思いと、自分の置かれている現状とのギャップに苦しんでいる姿が印象的なだけに、いつこの兄妹は和解したんだろうと疑問です。

幻夜が大怪球を宇宙に飛ばしたのが、父が信じていた地球を傷つけないためであるなら、幻夜も博士の思いを理解したのだと言えなくもありません。(でも幻夜には、大勢の人々の生活や未来を守るといった、スケールの大きな愛情は、なかなか持ち得ないんじゃないだろうか?)

銀鈴が幻夜に同調しそうになった場面もありましたが、銀鈴の気持ちが、私は未だにしっかりつかめていません。雪山で気持ちが揺れ動いた後、彼女はどうしたかったのかなあと今でも思います。テレポート中に大作に見せる表情が余りに穏やかなのは、自分の最期を知ったせいでしょうか。

「国警を惨劇の地にテレポートさせて、大怪球の中に単身乗り込んで、(恐らく父の遺志を誤解している)兄の暴挙を止める自分ごと、攻撃してほしい」ということでしょうか。いちいち騒ぎ立てる兄に比べて、余りにささやかな扱いだった様な。

「まだやり直しがきくわ」と、はってでも復讐を止めさせようとする銀鈴は、自分のことなんて考えていなかったでしょう。悲しいです。幻夜より、銀鈴の方が博士の無私の心を受け継いだらしいです。

平成23年11月7日 竹淵 拝
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