外伝で、期待していたエルシド編が始まりました。予想以上に手堅い出だしです。ゲスト美少女・美女とエルシドというペア(※水瓶・蠍回のような感じ)というのは想像していませんでしたが、ごつい男性陣と成長期真っ盛りの少年って、いい意味でどうしようと思いました。チャンピオンらしいというか、ストイックな感じです。手代木先生のシュラのイメージから出来ているのかもしれませんが、シュラとは別人だなあと思いました。
(シュラはストイックとルーズさが半々くらいの男だと思っている。純粋培養すれば、シュラもエルシドの様な「素晴らしい黄金聖闘士」になったと思うのだが、シュラの境遇を思えば、少し節操なしなくらいがいいと思う。ロストキャンバスにおける聖域トップの面々が、どれだけ出来ているのかというお話。)
あと全然関係ないけど、自分は名前に「シ」がつくキャラに弱いんじゃないかと思います。諸葛孔明、シュラ、新宿ブラザーズ、シェリル・・。音は好きだけど、偶然の一致でしょうか。
アマゾンのレビューで、東野圭吾「白夜行」の402件全て読んでみました。以下はその感想です。
■「長いけど一気に読ませる」「雪穂と亮司の純粋に愛し合う関係に感動した」等が肯定的な意見だったと思う。雪穂と亮司の直接の関係は分らないけれど、愛し合っていたという見解か。
■雪穂の太陽は亮司なのかという問題。「亮司」という名前は、亮が「明るい」、司が「つかさどる」という意味なので、亮司にそんな意味合いがあってもおかしくはない。亮司にとって雪穂は、色んな意味で全てだっただろうから、亮司にとって雪穂は太陽と言える。
■でも亮司が「明るい場所を歩きたい」と言った時イメージしていたのは、雪穂と平凡な夫婦になって、所帯を持つ事だったと思う。亮司が「(誰も祝ってくれなくても)結婚して家庭を作ろう」と雪穂に言った時、雪穂は「なら先に財産を作らないと」とか言って、誤魔化していたんだろうと思う。
雪穂と亮司は「幸せな家庭」から縁遠い点が似ている。だが「幸せな家庭なんて、この世のどこにもない」と言い切った美冬を思うと、「俺が汚い事しても何とかして雪穂を幸せにしてやりたい」と思っただろう亮司が悲惨だ。亮司の父母でも、少しくらいはいい時期があったのだろうか。著者は男の愚かさと、女の狡猾を書きたいのかもしれないが、ここまで悲惨に書かなくても。
■雪穂が結婚・離婚した時は「結婚なんて所詮紙切れ一枚。お店でも持って、一緒に頑張った方が充実している」とか亮司に言っていたんだろうと思う。(←著者は狡猾な女性を書きたいのなら、もっとどぎつくない方法で書けばいいのいにと思った。)
亮司は雪穂に逆らえない。亮司に出来るのは、疲れるまで雪穂の命じるままに動くことくらい。(←お前には紙切れ一枚だっただろうが、俺は結婚されて嫌だったと言えないのが亮司の立場と罪悪感。良心とも呼べる。)
■アマゾンのレビューで一件だけ、「雪穂は亮司を愛していない、全ては彼女のからくり」という意見があって同感だった。400件弱あって、一件だけの指摘だったが、40ページもレビューをはぐった甲斐はあった。
■「幻夜」の雅也は悪党になりきれなかった男、ならば「白夜行」の亮司は全くの悪党なのかというと、そうではない。亮司がアレなのは、彼の良心から来ている現象だと思う。アレについて指摘した典子や奈美江に怒った彼だが、むしろ彼に好印象を持った。
■雅也と亮司の違い。雅也は(震災前からどうせマークされていただろうが)美冬とは関係のない所で初めて手を汚した。亮司は最初からグル扱い。
雅也の方が激しく振り回されている印象だが、亮司の方が、洋介の息子であるが故に、より雪穂には逆らえない。雅也と亮司に、決定的な差異はないと思う。「幻夜」は彼女の毒々しさの描写が、翻弄される雅也の姿を通して濃く書かれ、「白夜行」はひたすら続く彼女の犯罪の概観が骨格になっている。
生来の優しさや素直さを、父親の犯罪を理由に雪穂から潰されていく亮司の姿が浮かぶ。亮司は太陽じゃないかったと思う。雪穂の思わせぶりなセリフや態度は一切無視、犯罪によって彼女が得たものが彼女の全てだと思うことにした。
(感想 終)
白夜と言うのは、太陽が地平線を横ばいして動く長い時間を指す言葉なので、暗闇とは違う。白夜=日の当たらない自分達と言うのは、日本語としておかしいのでは(※ドストエフスキーの「白夜」の方がより実在の白夜のイメージに近いと思う)。まして亮司、雅也を踏みつぶして「成功」を重ねていく彼女は「おかしい」と思う。
平成24年3月2日 竹淵 拝 madeingermany193☆yahoo.co.jp ☆→@ |
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