「麒麟の翼」を見てきました。数年前は定期的に映画館に行っていたのですが、この一年間ほど行かなかったので、新鮮でした。（有名な作家さんが「映画を沢山見てインスピレーションを〜」と言っていたのを聞き、当時の自分には相当の下心があった。）
加賀が出てくる「悪意」を読んだばかりでしたので、すぐに映画に入っていけました。舞台もお馴染みの場所が多かったです。・・・東野作品が映像化する時、女性陣がより輝いて見えてくるのは気のせいでしょうか。
加賀も良いですが、彼の奇抜さを受け止めると言うか、振り落とされない女性陣もいいなと思いました。メインキャラに問題児が多い東野作品のなか、地道に生きている女性達に好感を持ちます。
・・・駅構内の場面は、西武線の駅だったようです。舞台が西武線沿線だったのかは小説を読んでいないので分りませんが、撮影に協力するなんて西武らしいなと思いました。新宿のネットカフェがちょっと出ていたので、西武新宿線の駅のどれかだったのでしょうか。
以下は全くの雑感です。
■東野作品には都内の有名な場所が、かなり具体的にアレコレでてくる。「六本木の高級クラブ」「下町」「七福神めぐり」「汐留の高級イタリアン店」「赤坂」「池袋」・・・二次元ではお馴染みの場所が多い。移動も一般人なら電車利用なので、乗り鉄気分で読める。
■何作か読んだ印象だと、「新宿」は匿名性が非常に高い街であるか、「若い女性が新宿にある安めの居酒屋に呼ばれても浮き浮き出来ないくらい」の扱いだったりする。（「殺人の門」）
■匿名性が高い街だから、住所不定の人の置きっぱなしの住民票が西新宿にあったり、レンタルルームが犯罪に使われたり、こっそり利用したネットカフェが西新宿にあったりする。（「容疑者」「麒麟」）
■昔から人口密集地だった都内東部、ベッドタウンである都内西部の間に新宿はあるから、そんな感じかも。「麒麟の翼」に日本橋七福神・水天宮が出ていたが、新宿にも「七福神」がある。零二の所がその一つ。西新宿にも熊野神社がある。
■新宿だって、市井の人々と密着した街なんだよと言ってみたいが、なんと無しに東野作品での新宿の扱いは分った。異を唱える気なんて全くないし、今のままの東野作品がいいと思う。
■あんまり関係ないが、吹がジャケットを着ない理由があるとすれば、駅前で喧嘩したか、喧嘩に割って入ったかして、ジャケットを破かれた事があったからではないかと妄想する。燕尾服のテール部分をつかまれたとか。・・・西新宿五丁目駅前で無駄な喧嘩をしたら、土下座するまでエスコートされそう。
（両国は燕尾服のまま喧嘩出来そうだが、それは両国だから。吹は邪魔だと感じたら、次からは着ないと思う。でも「ジャケット着ないのって慎兄ちゃんみたいでいいよね」と周囲には言う。恐らく慎兄ちゃんは若作りで着ないんだが。一と零二は上の兄弟が着ないから着ないんだが、一の場合は「クロスタイ＆ジャケットの方がいやらしい」という大きな理由があるのでは。）
平成２４年３月４日 竹淵 拝
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