madeingermany

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...... 2012年04月05日 の日記 ......
■ 山奥と新宿   [ NO. 2012040501-1 ]
東野圭吾の「卒業」を読んで思ったのですが。劇中に学生同士のカップルが3組あって、全て卒業時に別れています。

加賀と沙都子は、沙都子が「こんなに追求の激しい人ムリ」と思ったからなんでしょう。加賀にも、彼女と何としても結婚したという程の「衝動」はないですし。数年来の男女の仲ではあったのでしょうけれど、東野圭吾の書く女性はそれくらいでは自分の未来を決めません。恋愛、プロポーズ、結婚というある種のファンタジーが一向に根付かない作風だと思います。(・・・何作か読んだが心温まるカップルが一件も思い出せない。)



藤堂と祥子の場合は。藤堂の言い分は「そんなふしだらな君に用はない」、祥子の気持ちは「捨てられた、あたし死んじゃいたい」なんでしょうか。藤堂と亮子が交際していたとかいう裏話があれば、もっと面白かったのでは。祥子も男子禁制のアパートに藤堂をしょっちゅう連れ込んだり、周囲に流されて悪い男達に寄っていってしまったり、少し子供っぽいのか、単なる考え無しなのかよく分りません。

理解不能なのは、若生と華江です。友人である波香の剣道への執念を知りつつも、若生との結婚のために八百長に手を貸した華江。「八百長でも亮子が波香を負かせば、亮子の口添えで若生がいい所に就職出来て、あたしのお父さんが納得出来るような会社に勤める事が出来る」という理由。

八百長が加賀によって暴かれた後、何故か別れる若生と華江。若生は華江のエゴを見てしまい嫌になったのでしょう。華江は「可愛い恋人」としては兎も角、一生の相棒には向いていないなと。華江は「そんなちっちゃな会社に勤めるような男の妻にはなれない」と思ったのか。

・・・初期作品という初々しさがなきにしもあらずですが、結構いつも通りの東野作品でした。3組のカップルが、それぞれのエゴで破綻しているあたり。





江戸川区の地理について調べる事があったんですが。何分山奥で暮らしていますので、地名がほとんど分りません。数分悩んだ結果、「ああ、都営地下鉄新宿線の沿線だ」を気が付き、最寄り駅から検索して、何とか地理を頭に入れました。

新宿さんの意気揚々とした姿を想像すると、行ったことのない場所でも「ああ一之江か」と何とか手探りで近づくが出来ました。山奥暮らしの鉄オタクにしてみると、青春さんの世界は実に心強いです。



山奥暮らしと言うと。私がよく読む作家、夏目漱石は全くの都会人です。確か、「田んぼ」が何であるのかイメージ出来ないくらいの都会人でした。なので、漱石は水墨画を見て「こんな所に住みたい」と言ったそうです。地方から出てきた知人に「大変だよ」と言われ、ムッとしたいうエピソードがあります。はい、大変です。舗装していない道路は悪天候に弱いです。

山奥暮らしの自分には、都会=地下鉄かもしれません。だから、鉄オタになる前は頑としてJRのみに乗っていました。都会=地下鉄=難しくて乗れない、と思っていたので。何で、「東京都交通局と東京メトロの生い立ちの違いと、経営方針の違い、及び現在の利用状況について」弁じられる様になったのかは、運命としか言えません。


平成24年4月5日 竹淵 拝
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