以前、同人誌ですが、嫌われる事が仕事みたいな男の本を書いてました。誰にどんだけ憎まれても構わないから、与えられた使命にひた走る男の本です。そういう彼が格好良く思えましたし、何より一途さが好きでした。
ただ、本当に自分は彼の事を分っていたのかと言うと、当時から疑問でした。憎まれたり恨まれたりする事を、彼がどう感じていたかは謎です。「竹淵さんの思ったように描けばいいんじゃない」と言ってくれた人もいましたが、どうも顔から火が出る思いです。
・・・土日になったので原稿を描こうと思います。今はミラトレの二次創作で活動していますが、やっぱり前述の男の事を思い出します。ずるい事も汚い事も平気でする彼が好きでしたが、私自身の感傷も大いに混ぜ込んだ本でした。彼にセンチメンタルな部分なんてあっただろうかと、未だに書いた自分でも思います。
一定のカタルシスがあるから同人活動を今日まで続けています。どこまでミラトレや関わった外の作品の事を自分は理解しているのか正直危ういんですが、熊野神社や花園神社へ詣でて癒されてしまう自分には、新宿ブラザーズが必要なんです。花園饅頭の柏餅が美味しかった事とか、神楽坂の瀟洒な雰囲気がよかった事とか、原稿に出します。零二が巨大餃子に挑んでいる姿が浮かんでなりません。
性懲りもなく、東野圭吾を読んでいました。特定の好きな作品はないのですが、どれを読んでもほぼ均一の味がするので、ズルズルと何冊も読んでいます。読んだのは「ゲームの名は誘拐」でした。つくづく、悪い女性を書きたがる人だなと思いました。
「容疑者Xの献身」は純愛ものと呼ばれる事がありますが、石神のストレートさはともかく、かばわれている花岡夫人は「あたし関係ない」という態度を貫くつもりだったそうです。
自分の男性遍歴が起因して娘を犯罪へ追い込み、無意識でも石神を虜にし、全くの他人が惨殺され、石神も逮捕されるという展開でも、花岡夫人は「関係ない」と言い切る事が出来たそうです。なんというか「白夜行」の亮司や「幻夜」の雅也みたいな、狡猾な女性に関わったばかりに損する男ばかりです。あと一冊手元に氏の作品があるので、それで最後にしようと思います。
平成24年6月1日 竹淵 拝 madeingermany193☆yahoo.co.jp ☆→@ |
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