ミラトレの新宿西口一の原稿を書いていて思ったんですが。「不安定」と身内の零二から言われる一ですが、恋愛の局面で嫉妬する方の子なのかなと考えた所、答えは出ませんでした。例えば気になった女の子が、自分の駅前でなくて、零二の駅前の方を楽しいと思ったとしても、一は気にしないと思います。零二が身内であることもあるでしょうが、「僕は僕、君は君」という目で見ているんじゃないかなと。
一は都営である以上、鉄道の激戦区である新宿の真ん中にいても、競争にさらされる事の少ない駅です。小田急や東武の熾烈な開発合戦を目の前で見ている駅であっても、「貴方は貴方」で通していそうです。
そんな態度でいいのかというと別問題ですが、慎太郎の直系である事を思えば通るのかも。独立心旺盛で、自己責任論者っぽい凛太郎からは、「吹のしつけが悪い。一はやれば出来る子なのに、お前が余計な手をかけすぎる」と、バシバシ本人じゃなくて吹が叩かれていそうです。
一が嫉妬するだろう相手は特に思い当たらないし、「自分がライバル」と言い出すタイプの子でもないでしょう。凛太郎に何かきつく言われても、一念発起はしなそうです。仮にライバル視する相手がいたとしたら、同じ副都心の「池袋」「渋谷」等でしょうが、新宿ブラザーズの性格として嫉妬という攻撃的な感情が似合いません(※漫画で「市役所前」さんにライバル意識を持っている描写があるが淡い。)
唯一、たまに吹に特別かまってもらいたくなって、仮病をするくらいでしょうか。それですら零二が買ってきた花園饅頭にうっかり手をを出すか、吹がお粥とか用意する姿に申し訳なくなって、あっさり終わりそうです(妄想)。
今手元にある、最後の東野圭吾ものが「夜明けの街で」でした。昨夜2時間で読みました。ページ数はそこそこにあって、ハードカバーなんですが、ものの2時間でした。ぶっ続けて東野圭吾ものを読んでいるので、最初の数ページで何と無しにラストが想像できました。
「ヒロインは主人公を本当には愛していない」 「主人公は乗せられやすいへタレ」 「なので強気に迫れば思うがままに出来る男である」 (最初のジャケットのくだりはそんな感じを受けた) 「最後はかりそめの円満に戻る」 「ヒロインの父の不始末が遠因」 「こういう話ガリレオシリーズで見た」 「東野圭吾もので罪悪感が表現されることは少ない」
・・・と、想像した結果が全部ストライクでした。しばらくは、東野圭吾ものは読まないと思います。とても面白くて、沢山書いていて、技術力のある作家であるのはよく知っていますし、読んでいる最中は楽しいんですが、読後感に問題があります。
この小説、不倫の話だとは知らなくて借りたのですが、同じ不倫ものなら、別の方の作品ですが「愛の流刑地」もよかったです。「夜明けの街で」では、不倫そのものが東野圭吾お得意の「犯罪」だったのか、女性秘書の死が「犯罪」だったのか、揺れてますし。
いずれにせよ、「憎い父親に見せつけるためにあえてヒロインが選んだ不倫」だったわけで、大人の恋愛って感じはしません。そういうトラップ的な恋愛はもう「白夜行」でよく見ました。
平成24年6月3日 竹淵 拝 madeingermany193☆yahoo.co.jp ☆→@ |
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