ミラトレきっての鉄だという汐留は、「大江戸線は孤高のイメージ」と言っています。都営地下鉄は4線が4線とも別の道を歩んでいるので、汐留のコメントは間違いではありません。
でも、多分都営地下鉄で注目しなければいけないのは、新宿線でしょう。高収入を見込める路線でありますし、都営同士での直通は出来なくても、「弟」のような大江戸線を生み出す準備を、3線の「お兄さん」達はしていてくれた訳でして、新宿線は大江戸線のすぐ上のお兄さんになります。若い大江戸線に「孤高」とは、若干違和感があります。
「孤高」という言葉を使っていいのは、長らく一人で東京の地下を走っていた銀座線に対してくらいじゃないかなと思うんですが。
大江戸線の特徴である「都内全域を走る」事は、戦前の東京市、東京都の夢でありました。多くの都電が姿を消し、戦前戦後とも交通網の整備が後手後手になっていた、自治体としての「東京」の夢が花開いたのが、大江戸線と言えます。「孤高」でも何でもなく、愛されるべき「末っ子」なんじゃないでしょうか。
汐留が「お子ちゃま」と凛ちゃんに言われる理由は、その辺かもしれません。ミラトレも大江戸線も、エスコートする自分達6駅も「特別」だと自認する様子が彼にはあるので、「子供」なのだろうなと。
月島なら、路線や駅、お客様の悩みに個性の違いはあっても、等しく大切にされるべき存在で、少々変った車両に乗っている自分達が特別なのだとは思わないかもしれません。
汐留が自分ないし自分達の事を特別だと思う理由に、昔あった新橋駅の事があるかもしれません。確かに画期的な場所でありましたが、それならば横浜も変わりありません。まして、その後津々浦々に路線が開通していったのですし。汐留の場合は鉄道好きなんじゃなくて、単なる「自慢」めいている時があるような気がします。
凛ちゃんの場合、鉄道としてのエポックメイキング具合なら、兄貴の慎兄ちゃんの存在が大きすぎて、汐留ほど軽く「孤高」だの「特別」だのとは思えないでしょう。
新宿ブラザーズなんて、生まれた時から特大の繁華街にいるせいか、「特別」という意識がないまま、「特別」な意識をもっていそうです。主張しない「特別」な子達なのかなと思います。凛ちゃんが「自己紹介の必要がない」とか言ってますし。
逆に、SLやディーゼル車、貨物列車などを新宿ブラザーズは見たことがないでしょうから、そういう面では不安にさせる子達です(ところで新幹線を3駅は見たことがあるんだろうか?新宿駅は各種特急は走るんだけど)。都会っ子。牛込神楽坂は「駅周辺に牧場があった」と言いますが、一はウシなんて想像も出来ないかもしれません。
「慎兄ちゃんの昔の写真を見たことがない」とブラザーズは言います。本当に見た事がないんじゃなくて、見ても新宿駅だと認識できなかったんじゃないかなと思います。昔の歌舞伎町の写真とか見ると、3駅が思う慎兄ちゃんのイメージとは違いますから。 |
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