大阪に行って思ったのですが。市営地下鉄の初乗りが200円です。都営地下鉄は170円です。東京メトロはもっと安いです。駅と駅の距離は東西で差がないものとすると、若干関西の方が高いです(ただ東京の方が地下鉄が深そう。東京は高低差の激しい地形でもある)。
お得なパス等があるにせよ、地下鉄として古い歴史があり、日本一の利用者数を誇る御堂筋線の初乗り運賃が、大江戸線より高いです。大阪市営地下鉄と都営を、日常的に比較対照している利用者は多くないと思いますが、メトロから「高い」と言われているらしい都営より、大阪市営地下鉄の方が高いとは。(建設費は都営地下鉄の方が高いと思った。)
都営地下鉄がメトロより運賃が高い理由の一つは、「イニシャルコストがまだ解消されきっていない」ことです(銀座線くらい古いと解消されているコスト)。いずれ都営が長く走った暁には、もっと値下げできるでしょう。なので、東京でいうと丸ノ内線くらいの年齢の御堂筋線が200円って驚きです。都営も頑張っているということでしょうか。
歴史好きなので、夢中になったものの歴史を調べ上げたい衝動によく駆られます。そうすると暴走して、もともと好きになったものと別物の世界へ行ってしまう事があります。今回も、そんな感じです。
大江戸線は20世紀末開業の電車。慎兄ちゃん達中央線というか「日本鉄道」ないし「甲武鉄道」は明治初期の電車です。明治期に、こんなにせっせと電車を作ったのかというと、結構いろんな背景が見えてきます。
ミラトレにはあんまり関係ない事ですが。中野陸や慎兄ちゃんは、体験済の色々な事が、鉄道にはあります。明治期に急ピッチで鉄道を造った理由はこんな感じです。
■江戸期は徒歩移動が主流だったが、それでは日本国全体に政府の命令を伝える事が出来ない。郵便に並んで、人、物資の鉄道輸送が近代化の絶対条件の一つだった。 ■欧米諸国が日本国内に鉄道を敷設したい希望を寄せていたので、植民地にされる恐れを避けるために、自国の資本で開通させる事が急がれていた。 ■国防上の理由として、兵馬・物資の輸送を迅速に、駐屯地から軍港などへ大量に行わなければ行けなかった。徒歩移動では、外国に攻め寄せられた時、あまりに遅い。
堅苦しい理由がまだありますが、新宿・中野あたりの立地は、海岸から遠く(※海沿いだと当時の国防上問題が起りやすい。)、関東を南北に、日本を東西に走るラインの中間にあたるので、近代以降、鉄道が発達したわけです。慎兄ちゃんにも、戦前の記憶があるのかもしれません。
(堅苦しく言うと、若い新宿ブラザーズにもそういった体験談を伝えて欲しい気もするんだが。慎兄ちゃんの性格上、あんまりこだわっていない気もします。)
その後、平和な時代になると、鉄道は通勤・通学の手段とされる事がもっぱらになります。いい時代になったのかもしれません。鉄道を作る・走らせる理由が、「国防」のためでなくて、「日常生活」のためになったのですから。 |
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