高松がルーザーの事を忘れない理由は、ハーレムの様な恐怖体験でもなく、サービスの様な肉親の情愛とも違い、「才能を認めてくれた」ことにあると思います。(昨日も書いたけど、ルーザーの推薦をマジックが受けないと、今日の高松はないんじゃないかとも思った。)
高松の場合、柔軟な部分もありますが、「頭悪い奴は死んでください」とか普通に言っちゃう人なので、まず、どんな才能を持っていたとしても、上から門前払いされる可能性があります。そういう多くの場合要求されるだろう事を無視するルーザーだから、高松の才能のみ見出す事が出来たのかなと。
高松も、本来ならルーザーには才能の開花で「お礼」をすればいいものの、全身全霊でグンマとキンちゃんに向かってしまうのが、どこか憎めない人です。高松は非常にエネルギッシュな人だと思うんですが、新総帥シンタローはどう思ったのか。
シンタローの好き嫌いの激しさは、PAPUWAになって倍加したように思います。誰からも好かれやすく、気さくで明るい男だとは思うんですが、前から見せていた意に沿わない相手への嫌悪の感情を、さらに簡単に見せる様になったなと思いました。ギャグ漫画なので許容範囲も広いはずですが、「これは俺様キャラって範疇だっけ」と思わせる時が増えました。
マジックは、内心はどうあれ、異質なものに対して鷹揚だったと思います。就任後の大粛清の時、肉親のほとんどを排除していますし、今後のガンマ団の運営を考えれば、自分の目で確かめた人材を貪欲に吸収しなければ、組織として続かないことを理解しているからでしょう。
シンタローの場合、ハーレムの特戦隊の廃止とハーレムとの疎遠ぶり、高松の隠居と上の世代とは距離を置く方針だったようです。ハーレムの暴れん坊ぶりはマジックでも扱いにくいだろうなと思うんですが、ややもったいないなと。高松に至っては、「すっきりした」くらいの気持ちじゃないかなと疑心暗鬼。
・・・他人の涙と鼻血なんて、そうそう受け入れられるもんじゃないだろうなと思います。高松も、仕事と割り切ればシンタロー総帥の下でも働いたでしょう。でも高松の性格上、燃えられないアンニュイさを抱え、あからさまな異物扱いを上からされるくらいなら、やっぱり離れていくと思います。ああ見えて感傷家なのが高松なので。
シンタローが秘石の番人で、キンちゃんが総帥でもよかったなと思いました。父親と目されていたマジック、叔父のハーレム、弟と目されていたコタローが与えなかった「共感」を与えてくれたのは、他人の高松でした。高松がどう自己紹介したとしても、他人同士には違いないけれど、彼からの涙と鼻血をキンちゃん受け入れました。
ルーザーばりの相手の本質を見る目というか、キンちゃんの見知らぬ相手への素直さと順応ぶりは、もし総帥になったとしても生かされたと思います。頭脳に重きをなす高松でも、意外とそういうメンタル面にうるさいので、キンちゃんの下でなら、大人しく働いたかもしれません。高松以外の異才達も、新総帥についてきやすかったかも。
シンタローだって頑張っているし、ミヤギ、トットリ、コージ、アラシヤマだっています。でもそれはシンタローとしての頑張り方であって、総帥としての頑張り方とはいささか違う気がしました。
マジックは芸能活動もどきまでこなす天晴な男ですが、山南ケースケへのあしらいを見ても、「異なる」相手への鷹揚ぶりはさすがです。シンタローも経験を積めば変わるかなとも思うんですが、「人材」という発想が彼になさそうなので、このままかも。 |
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