東日本の鉄道って地方と首都圏を結ぶ事が全てなので、面白いくらいあっさりしています。グンマの鉄道も不便だなと思う路線の多くは、昔盛んだった生糸を運ぶために敷かれたものだったり、何かしら当時の名残があります。地面に刻まれて、動かせない鉄道だから何かいつまでもうったえてくるものを感じます。
香川県の高松駅も明治生まれですし色々越えてきたのかも。
漫画やアニメの黒子的キャラが好きです。陰で操るタイプの人。該当するかどうか迷いますが、何年か前に映画になったオペラ座の怪人のエリックもそうでしょうか。
妄想なんですが、高松がエリックだったら確かに「育てた子を立派な舞台に立たせたい」という願いを持ち、皮肉たっぷりな強引さでライバルを蹴落とすあたりまでは似ているんですが、「立派になった教え子を独占したい」とは思わない気がしました。高松もグンマとキンちゃんに軽い独占欲はあると思います。ですが本当に彼等を幸福にしてくれるだろう人が別にいたとしたら、さっさと退陣してしまいそうです。
高松の場合ラウルじゃなくて、最終的にグンマとキンちゃんを血縁の人達の側に置くことで満足しようとするでしょう。高松の思いも間違いじゃないと思いますが、普段の高松からは想像できないくらいの消極性です。
キンちゃんも、毎日の様に指導してくれていた「音楽の天使」が独占欲を露わにしてくるなら兎も角、一人で勝手に満足して消えようとしたらムカつくだろうなと。教え子の人形作って籠城するヒマがあるのなら、一緒に舞台に立てと言いたかったり。
以下言うだけならタダって事で。
南国7巻でルザ様が高松に手を上げています。PAPUWAを読むに、キンちゃんの中では「アスは父の姿で高松を怪我させた腹の立つ奴」とまとめられた様です。このキンちゃんの感情こそ、ルザ様の思惑だったのかなあと。アスとして振る舞い、比較的自分の思い通りに動かしやすいキンちゃんに、そうと分からせずに殺させるのがルザ様の狙いだったと思います。
もしあの場に高松がいなかったら。ルザ様は弱そうなグンマをあえていじめてキンちゃんを怒らせて挑発するか、キンちゃん自身に「番人にすら勝てない偽物」とあえて言いがかりをつけて怒らせるかしたでしょう。
けどあの場には高松がいたわけです。アスの様に振る舞っても、仮にマジックやハレ、サビは分からなくても、自分がルーザーである事が高松には分かってしまいます。高松は目の前にいる人がアスである事を否定するでしょうし、グンマ・キンちゃん・ルーザーの間で殺し合いになれば、何が何でも止めようとして、誰かをかばおうとして、誰かの眼魔砲で死んでしまいます。
ルザ様が高松の事を本当に「どうでもいい子」と思っていたら、そうしたでしょう。動かしやすいキンちゃんか、弱そうなグンマを挑発して、どちらかの眼魔砲からルーザをかばおうとして死んでしまうだろう高松を余所に、自分もどちらかの眼魔砲に身をアスとしてさらせば、目的は達成できます。
でもルザ様はそうしませんでした。手ずから高松に気を失うくらいの怪我をさせた後で、順々とキンちゃんの眼魔砲を受けていました。「僕の息子にはお前が必要なんだよ、高松。僕はもういないけどね。」とルザ様は言っていたんでしょうか。高松の数十年越しの思いはちゃんとルザ様に届いていて、高松の思うようなお返事はもらえなかったけど、代わりに高松の側にキンちゃんを残していったくれたのかなあと。
高松が「ルーザー様を殺そうとしているグンマ様とキンタロー様」の姿を直視したら、自死しかねないと思ったので、そんな事を思いました。案外南国終盤で高松が髪なんて切ったくらいにして元気そうに見えるのは、こんな解釈も成り立つからかなと。
(※ただし、ジャンは好き勝手して死んで、好き勝手に蘇って来て、まだガンマ団をかき回すくせに、何故ルザ様は戻って来ないんだと思ってしまうと、まさしくチャンネル5到来。) |
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